ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■嫁が猪狩増代。
夜、仕事から帰って来たら、異様な雰囲気に包まれていた。
台所で嫁が鬼のような形相で娘・R(10才)を睨み付けており、Rはショボーンとうなだれたまま固まっていた。何か嫁に怒られるようなことをやらかしたらしい。
ふたりの間をそーっと通り過ぎて、隣の部屋でテレビ見ながらゴハンを食べていた息子・タク(8才)に
「どうしたんだ」
とヒソヒソ耳打ちしたところ
「××しちゃったらしいよ」
とのこと。何をやらかしたかはRが可愛そうなので伏せておこう。可愛いフリしてあの子、わりとやらかしちゃうもんだね、と。
「…どうしてそういうことするの?」
台所では時々嫁の低くて重い声がボソボソと聞こえてくる。未だRを睨み付けていて、Rは固まって答えられない。いい加減いい時間だし、Rはゴハンも食べていないようなので、Rの頭を撫でて
「素直に言った方がいいよ?」
と促してみたところ、
「空気読んでよ!あっち行っててよ!」
僕も嫁から目からビームが出る勢いのメンチを切られ、追い出されてしまった。はいはいとばっちりとばっちり。触らぬ神に祟り無し、触らぬ嫁に孕み無し、ということで大人しくタクとテレビを見ていたら、ようやくケリが付いたようで、膠着状態が解け、
「あなたもゴハン食べる?」
と嫁の声がかかったので、食うぞと答えると
「ほら、Rもパパと一緒に食べなさい」
Rもゴハンを食べることが許されたようだ。しかし、いつもは僕に甘えてくるRだが、バツが悪いのか僕と目を合わせようともせず黙々と食べていた。追い打ちになってしまうので、僕から何か言うのはよすことにした。
そんなぎくしゃくした雰囲気のRも寝る時になると
「寒いよう〜」
と布団の中でくっついてきて、うい奴や、近う寄れ。なにか下らない話でもしようかと思ったら、やはり余程疲れていたらしく、すぐ寝息に立ててしまっていた。
説教の後のこういうやりともまた一興…ってか。
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11月30日(土)
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