ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■誕生日だった!
朝、目覚めたら
「せーの、パパ、お誕生日おめでとーう」
娘・R(10才)と息子・タク(8才)から祝福された。そうか。僕も17才か(大嘘)。
「パパ見てー」
と、ふたりが描いたイラストや、お手紙をもらった。プレゼントはRとタクが描いた絵が欲しいな、と言っていたのである。壁にも「パパおたんじょうびおめでとう」という貼り紙があって泣ける。
「どうもありがとうね」
ふたりの頭を撫でながら、それぞれの手紙を開く。まずRが書いてくれた手紙を。カワイイ封筒に入った便箋だ。広げて読むと

「パパへ おたんじょう日、おめでとう!!
これからも、いっしょに遊ぼうねヽ( ^v^ )ノ」
と書いてあり、その下に
「けしてみて!」
エンピツで真っ黒に塗りたくった部分があった。
「ケシゴムで消すんだよ!」
とRが嬉しそうに言うのでやってみたら、あっという間に消しゴムが真っ黒になってしまい、全然消えない!親の仇かっていうぐらいに(親は僕だが)これでもかとグリグリに塗り潰しているのだ。
「おいR、塗りすぎだ。消えないぞ」
「ぎゃはははは!」
Rは嬉しそうに笑う。この子が一生懸命エンピツで塗り潰している姿を想像してみる。きっとすごいワクワクしながらやってたんだろうなあ。
黒くなった消しゴムを別の紙にこすりつけて白く戻し、また消す…の繰り返しを何十回繰り返したろうか、15分ぐらいして

ようやくここまで見えてきた。Rが描いた僕ら家族の絵が描かれていた。いつまでも4人家族、仲良くいられるといいね…はあはあ…疲れた。
そして今度はタクの手紙。Rの女の子らしいカワイイ便箋とは対照的に、霊園のチラシの裏に書いてあった。どんなチョイスだよおい。
「パパへ。おたんじょうびおめでとう。
パパは子どものころ、なんのたん生日
プレゼントもらった?
こたえろ。」

こたえろ?
なんで偉そうなんだッ。
「教えない」
タクにはそう答えた。
「なんでだよ!」
「偉そうだから」
こうしてまたひとつ僕は年を取ったのであった。
誕生日と子供はよく似ている…。
どちらもめでたい(愛でたい)!
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11月21日(木)
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