ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
[5183116hit]
■ハウオールドアムアイ?
朝、目を覚ました途端、
「パパ、誕生日のプレゼントは何がいい?」
息子・タク(8才)が食らい付いてきた。
「え?ああ、そうか…」
自分の誕生日をコロッと忘れていたことよ。年なんか取りたくないのにふと気付くと恐ろしい数字になっているから、敢えてそのことを記憶から遠ざけておきたいのだ。
「パパ、プレゼントは何がいいの?」
再びタクに早く言ってよ、と急かされる。うーん、そう言ってくれるウチが華なのだろうけれど、やはり何度も年を積み重ねると、誕生日に欲しい物ネタも枯れて久しい。買えるものはサクッと買ってるし、買えないものは諦めている。
欲しい物は特にない。では、やりたいことは…というと…うえっへっへ。文字通りヤリたいことなら。うえっへっへ。ソフトオンデマンドも真っ青のドエロプレイ妄想が走馬燈の如く駆け巡る。うえっへっへ…ってバカ。
どこの世界に
「パパおっぱい揉みたいなあ」
って子供におねだりする親がいる。そんなわけで言葉に詰まり
「うーん、なんでもいいよ」
相手が一番望まない答えを言ってしまった。案の定、タクが困った顔に。さすがに僕もまずったなあ…と反省した。僕は別に何ももらわなくても、子供達がグレずに育ってくれればいいのだけれども…おお、そうじゃ。
「そうだ、じゃあ、タクとR(10才の娘)で絵を描いてくれよ。君達が楽しく遊んでるところを描いてくれ。いつも一緒に遊んでるお友達とかぬいぐるみとか、宇宙で遊んでるとか、好きに描いていいよ」
何か子供達の手作りの物が欲しい、と思ったのだった。ふたりともお絵描き好きだし、なんか面白い絵を描いてくれるだろう。
「よしゃー!描くよー!」
タクは嬉しそうに返事をした。ああよかった。やはりそういうのを望んでいたようだ。Rも
「じゃあRはね、カレンダーにできるように1月から12月までの絵を描くよ。8月はプールで泳いでるところにする」
なんだかアイディアが湧いてきたようである。そうだ。君のお花畑頭を存分に発揮する時が来たのだ。
「いいねー。君たちの楽しい世界を描いてくれよ」
そうお願いすると
「じゃあ、パパも描くよ」
とタクが言うので
「いや、パパはいいよ」
子供達のファンタジーに僕のようなオッサンが入ってしまったら台無しである。さらにRとタクが容赦なく、忠実に、僕を絵に描いたような貧乏くさいオッサンのように描いたらどうしよう。絵に描いたようなも何も実際に絵に描くんだけれども。
以前、父の日だからお父さんの絵を描いて贈りましょう、という幼稚園のイベントで、いつも貧乏神みたいな顔に描かれていて、
「じょうずだねー」
と子供達にはニコニコ褒めて、陰でへこむんでいた。だから断ったのだが
「ダメ!描くの!」
絶対に首を縦に振らないので、好きにやらせるしかないようである…。
これを、絵に描いた父といいます。なんちて。
←これだけでもいいので押してね。
←こちらもできれば。
はてなアンテナに追加
11月13日(水)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る