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エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■サメを触ってサメザメ。
日曜日は朝イチからディズニーランドに行き、浦安のホテルに泊まって帰って来る予定であった。
しかし前日の土曜日の夜、天気予報を見たところ日曜日は雨だとのことで、
「月曜日に延期!」
としたところ、それまで遠足の前日のようにはしゃぎまくっていた僕以外の家族全員のテンションがストーンと落ちてしまった。
「あー…明日行きたかったな…」
いじける娘・R(10才)と息子・タク(7才)、そして嫁。僕だって苦渋の決断だったんだい。そんなわけで朝は生き甲斐を失った世捨て人のようにモソモソと起きて、とりあえずホテルのチェックイン出来る時間に間に合うような感じで、とりあえず出掛けることにした。雨は降っているが
「そうだ、水族館に行こうか」
浦安の川を挟んだ隣、葛西臨海公園にある水族館に行くことにした。今日ディズニーに行けなかった喪失感を少しでも埋めるために僕も必死だ。
「うん!」
子供達もようやく笑顔を見せたが
「ダイオウイカいる?」
「いねえよ!」
「えー」
ディズニーの代わりとしてなので、求められるハードルが相当高かった。
葛西臨海公園に着くと、警察署と消防署が合同で何やら啓蒙イベントをやっていた。パトカーやら白バイやら消防車などが来てて、動きはしないが乗ってみることが出来るとのこと。
「パパ!ママ!パトカー乗ろう!」
すさかずタクが目を輝かせたが、あまりパトカーにいい思い出がない僕らは
「いや…君だけ乗ってこい」
とタクだけ行かせようとしたのだが、
「なんでよ!乗れるんだよ!」
タクは一緒に乗りたがる。
「いや、乗ったことあるし…」
ついうっかり本当のことを言ってしまうと、
「え!いつ!」
「若い頃…若気の至りで…」
「わきげのイタリアってなに!」
どんな空耳アワーだよ。
「まあ、若い頃間違ったことをしてしまった、ってことさ…」
ということでタクだけパトカーやら白バイに乗らせてもらった。嫁も何故か白バイだけまたがっていた。Rはそういうのは恥ずかしがってやらないため、僕と見ていた。

さて、肝心の水族館も子供達にとっては面白かったらしく、中でもサメやエイに触れるコーナーでは、最初はおっかなびっくり背中を撫で、
「いやー、エイ、ぬるぬるするー」
と言いながらも徐々に慣れてきて熱心に追い掛けて触っていた。勿論僕も触ったけれども、僕を含め、サメを触った大人達は
「あ、サメ肌」
必ずこのひとことを言っていたのが面白かった。ザラザラゴワゴワな感じである。

お昼。マグロカツカレー。泳いでるマグロの姿がおいしそうだったので、つい…。
また、ある水槽をみていたところ、解説員が寄ってきて

この赤いシミのような模様があるのは、岩石のようで実はカニなんですよ」
と説明してくれた。
「ええっ!カニには見えないですね!」
「実は私を含めスタッフ誰も動いてるところを見たことがないんですが…」
ホントはタダの石じゃないんか(とは聞けなかった)。
そんな感じで夕方まで水族館を見学し、ホテルにチェックインした。しばらく部屋の中やロビーなどを探検し、楽しそうだったが
「ディズニーでいっぱい遊んでからお泊まりしたかったな…」
Rがボソッと言うので、ああ、今日一日、はしゃいでいたようでも、やっぱりディズニーに行けなかったことをずっと引き摺っていたんだな…とガックリしてしまったのであった。一応なんとか水族館に行ってフォローしようとしたんだけどなあ…。
水族館からの敗北感。なんちて。
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08月28日(水)
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