ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■寿司くえねえ!
母の日の夜は、嫁の好きな寿司を食べることにした。
無論回転寿司である。実際のところ嫁が食べたい、というよりも、息子・タク(7才)がめちゃくちゃ食べたがっているのである。
この日行こうとした回転寿司のお店は、かなり混んでいるので、早めに行こうと思い夕方6時に到着したのだが、全然甘かった。もう店の中がモッサモッサ待ち客で溢れ、回っている寿司より人が多い感じ。絶え間ない客のおかげで寿司だけでなく板前さんの目も回りそうな勢い。
「1時間ぐらい待ちます」
と言われたので、しょーがないなあ…と待っていたら、1時間経ってもまだまだ呼ばれず、
「もう2時間になるよ!」
とうとう嫁がブチ切れた。
「家に帰ってやることいっぱいあるのに!時間がもったいなさ過ぎる!」
はい、母の日なのに全然手伝わない僕らが悪いですすみません。嫁がナイフみたいに尖っては触るもの皆傷付けそうなぐらいギスギスしてきたし、ディズニーランドじゃあるまいし、なんでたかが回転寿司に2時間も待たなければならないのだ、と、
「じゃあ違う店行くか。バイオレンス寿司」
昔よく行っていた駅前の回転しない寿司屋に行こうぜ、と言ってみた。ちなみにバイオレンス寿司とは、もちろん本当の店名ではない。僕らが行くとお座敷で客がケンカしてきたり酔っ払いが絡んで来たり、と高確率で血のニオイがしそうな体験をするのでこう呼んでいる。
しかしタクは
「やだ!」
絶対ココがいいのだという。で、嫁も腹を決めて待った。2時間ちょい。ようやく呼ばれて寿司を食べることが出来た。さすがに寿司を注文する時は
「ねえ、何食べる?ノドグロ食べる?」
わずかに嫁がウキウキしているのが見え、ちょっとホッとしたような。ノドグロはいらないけどエログロなら、なんちて。
子供達はというと、タクは早速エビだのマグロだの注文し始める一方で、娘・R(9才)はボーッとしてるので
「君は何を食べたいんだい?」
とっとと頼め、とせっついたら
「…パイナップル」
寿司に混じって何故かひと切れのパイナップルがコンベアに乗ってゴワンゴワン動いていた。
「君は今日、何を食べに来たのかな?」
「おすしだけど、たべたあい」
「はいはい、デザートにね」
相変わらずRはマイペースだ。
待ち過ぎて空腹を通り越してしまったせいか、いつもよりは食べられなかった。それでもたまのご馳走なので満足していた…と思ったら嫁が
「もうお腹減り過ぎて、一気にがばっと食べちゃったからあんまり味わえなかったわ…」
また不満をこぼしていた。来月は嫁の誕生日も控えていたが、
「わたしの誕生日はお寿司じゃなくていいや。もう二度とこんな待ちたくない」
かなりげんなりして言った。母の日のお祝いがこんなことになってしまうなんて…。
「6時じゃ甘かったわ、5時、いや、4時半だな!あなただけ先行って順番取りしてればよかったんだよ!」
嫁の愚痴はまだまだ続く。そりゃお前、分かってる今だからそう言えるんであって…。
何を言っても時、すでにお寿司。
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05月15日(水)
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