ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■ミニにタコならぬ川でタコ。
子供達を遊ばせるために河原に行った。
息子・タク(7才)が
「水切りしたい!」
と言って聞かなかったので…。石をできるだけ水面スレスレに投げて、何回水面を跳ねたかというアレである。どうしてそんなことを異様にやりたがるのだろうと思ったが、考えてみれば東京の川なんてみんなコンクリートで固められているから、タクにとっては珍しいのだろう。
河原に下りるとタクは早速石を選んで投げ始めたが、娘・R(9才)はそんなに石切りがやりたかったわけてはなく、
「パパ、平べったい石探して」
そっからかよ、みたいなやる気のなさを見せていたり、
「あ、しろさぎだー。パパも来てー」
シロサギを見付けては追いかけようとするのだけれども、何故か僕にも来いと言う。
「なんでよ。ひとりで行って来い」
めんどいので突き放そうとすると
「やーだ!しろさぎ、おっきいから怖いもん。パパ来ーて!」
ああそうか、これは「来て来てサギ」なのだな、と諦めるしかなかった。
嫁も、実は僕に向けて投げたいのだけれども我慢して川に向かって投げてるんだよ、と言わんばかりの異様な熱心さで石を投げていたが、ふと気が付くと高校生と思われる男子三人組がキャアキャアとたこあげを始めていた。
「正月に野郎同士でたこあげって、彼女いなそー」
とか
「しかもあのたこ、プリキュアだよ!」
などと嫁がヒソヒソと意地悪なツッコミを入れる。確かになんでプリキュアのたこあげてるんだろ…。子供達は
「いいなー。たこあげしたいなー」
と熱い目で見守っていたが、すぐまた河原遊びに夢中になっていた。
しばらくしてそろそろ母が迎えに来る時間だから帰ろうとしていたところ、先程のたこあげ三人組がやって来て
「あのー、よかったらたこいりませんか」
「ええー!」
なんとたこを僕らにくれようとするではないか。
「持って帰らないの?もったいないよ?」
そんな使い捨ての100円ガサじゃないんだから…と言ったのだが
「いえ、僕らもう気が済んだので…」
成仏できなかった霊かよ、みたいなことを言う。Rとタクは当然
「やりたい!たこやりたい!」
おおはしゃぎしているので、結局ありがたくいただいた。三人組はチャリに乗って帰って行った。プリキュアのたこは全然新しい。本当にもったいない。
「…よっぽど僕らがモノ欲しそうに見えたのかな」
喜ぶ子供達を見ながら複雑な気持ち。
「ま、そろそろおばあちゃんが迎えに来るから帰ろう」
それはそれとしてもう夕方で、帰る時間である、とRとタクに告げたところ
「やだ!たこやりたい!」
「もう遅いからまた明日!」
「やだ!ちょっとだけでもやりたい!」
石を投げていただけだけに、固い石である。なんちて。
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01月03日(木)
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