ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■白球が飛んでいく。
子供達が通う小学校の父親達が集まったソフトボールチームがあるのだが、日曜日に練習試合があった。

白球を追う薄給の僕なのである。

対戦相手は隣の小学校の父親達。場所は隣の小学校。すなわちアウェーである。校庭はうちの小学校より若干狭く、ソフトボールをやろうとすると特にライト方向が極端に狭くなってしまう。ちょっと長打力のある人だと

相手チームと挨拶し、ルールの確認をした後、ライト方面ヤバイについての話が。

「ご覧の通りライト方面がすごく狭いので、こっちには打たないでくださいね。私ら、過去2回ガラス割ったことがあります!」

わはははは、と自虐的な説明があり、

「やっぱり危ないんですよ!」

「こっちには打たないでって言われても、そんなコントロールできるほどうまくないしなあ」

などと言いながらプレイボールとなったが、相手チームの攻撃の時、言ったそばからライト方面にボールが飛び、守備側の僕らはなすすべもなくその行方を見送っていたら、ガラスに吸い込まれるようにがっちゃーん。

「あああああああ!」

おっさん一同が驚嘆の声を上げ、やっちまったなー!と動きが止まってしまった。

「こんなの初めて見ました…」

「僕も、野球で学校のガラス割るとか、マンガ以外じゃ…」

などとヒソヒソ隣の守備の人と話していると

「だ、大丈夫です。保険に入ってますから…」

打った人はひきつった表情でとりあえず場を取り繕う。ボールが飛び込んだ教室のガラス破片の片付けと、割れたガラスの養生などは後でやるとして(グラウンドを使える時間が決まっているため)試合再開。

これで相手チームのメンタル面はガタガタだ!と思ったのだけれどもなかなかそうはいかず、2試合を行なったのだが、相手が勝ったり、こちらが負けたりという成績であった。特に2試合目は最終回の直前までは勝っていたのに、最後で2ケタの点数を入れられて…。

ガラスのハートなのはこちらのチームなのでしたとさ。

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12月10日(月)
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