ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■シースーベーター。
「今週はお寿司食べるんだ!」

と娘・R(9才)と息子・タク(7才)が盛り上がっていた。なんでそんな話になったんだ、と聞くと

「パパの誕生日だから!」

そういえばもうすぐそんな日を迎えるのであった。僕自身ですら忘れていたのに覚えてくれているとはなんと親思いなのだろう…と一瞬思ったけれども、

「パパの誕生日だから君達がお金を払ってお寿司をご馳走してくれるんだね。ありがとう」

と言ってみると

「え、払わないよ」

Rもタクもハトが豆鉄砲喰らったような顔に。やっぱりな!まあいいさ。思いっきりスルーされるよりはマシなのだろう…そう考えて良しとすることにした。ていうか先月もタクの誕生日祝いに某回転寿司に行ったばかりなのだが…。

「たまには回転しないお寿司屋さんに行きたいな…」

とボソッと僕が呟くと

「え!そんなお寿司屋さんがあるの?」

再びハト豆顔になるふたり。

「そうなんだよ、一度も連れて行ったことがなかったから君達は知らないだろうけれども、回らないお寿司屋さんがあるんだよ…」

今まで連れて行けなくてごめんなあ…。これもお金がないのと

「子供に食べさせるお寿司なんてのはかっ○寿司あたりで充分!」

という嫁の方針で…。そんな嫁なので却下されるかなあと思ったら

「まあ、パパの好きなもの食べさせてあげようよ。今日はママがおごってあげる。誕生日だし」

ということですんなり承諾された。嬉しいけれど、実は僕はガンであと半年の命、ということを嫁だけがコッソリ知っているとかじゃないよね。しかしここで強烈に反対したのがRであった。

「やだ!回るお寿司がいい!」

普段おっとり屋のRが何故ここでそんなに突っ張るのか、と驚いたら

「Rは場所見知りするんだよね〜」

と嫁。そういえばそうだった。この子はそういう性格の子であった。今まで回転寿司しか連れて行ったことがない僕を許しておくれ…。

「でもとっても美味しいんだよ〜」

結局そんなことを言ってようやくRを納得させ連れて行った。行くまではドタバタしていたけれども、結局のところ

「おいしいおいしい!」

とモリモリ食べて

「やっぱ次は○っぱ寿司だな…」

と嫁を引きつった笑いにさせていた。

そんな感じで、寿司だけに、親父の誕生日をネタにおいしいものを食べた話であったとさ。

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11月19日(月)
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