ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■Mr.オクラ。
以前、日記に書いた、娘・R(9才)が育てているオクラの話。

なかなか花が咲かなくて観察日記が書けない、と悩んでいたが、ある朝、一輪咲いているのをRが発見した。

「お花咲いたからオクラ中に入れて!」

嬉しそうに叫び、僕をアゴで使おうとする。玄関の外にあるオクラの鉢植えを家の中に入れろと言うのだ。

「外で描けばいいじゃん」

「虫に刺されるからイヤなの!」

「はいはい」

よっこいしょういち、と鉢植えを中に入れると、Rは早速絵日記を描き始めた。

「うーん、パパ、お花描くの間違えちゃったから色鉛筆消せる消しゴム出して」

「そんなもんねえ!!。間違えたら間違えたで、それはそれでひとつの作品だよ」

「買ってきて」

「ないっつうの」

パパは便利屋でもドラえもんでもありません!

「ねえパパぁ」

「今度は何だ!」

「ぶつぶつがいっぱいついてるう」

よく見ると、オクラの茎や葉っぱに透明な小さいツブツブがいっぱい付いているのである。

「虫の卵かな?」

と嫁も覗いてそう言うと

「やーだー!パパ取ってー!」

Rは悲鳴を上げた。

「はいはい、取ってあげますよ」

最初はアブラムシの卵かと思ったが、アブラムシの卵って、とびことかキャビアのようなビッシリ付いているイメージがあるが、これはパラパラと散っているような感じだ。そしてほとんど無色透明。潰してみるとやっぱり透明な液がじわっと漏れる。

なんというか卵っぽくなかったので疑問を持った僕。こういう時こそインターネッツだろう、ということで調べてみたらドンピシャな答えが見付かって、これはオクラの「樹液」だということが分かった。

「卵じゃないってよ」

「よかったー」

というわけで現在も虫に食われた様子もなく順調に育っている。ただ、花はほんの1日で落ちてしまった。あの緑で苦くてネバネバした凶悪な野菜を生み出す植物(僕は食べ物としてのオクラは嫌いである)とは思えない程の黄色くてカワイイ花だったので、写真を撮っておけばよかったなあ、と後悔している。

ひとまずRの観察日記はオクラ入りすることなく無事完成しそうである。暑さにも負けず、Rの水遣り忘れにも負けず健気に育つオクラ。もしモノが言えたとしたら、彼はきっとこう言いたいに違いない。

ハーイ、チャーン、バーブー。

オクラちゃんである。なんちて。

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08月21日(火)
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