ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■むしむしころころ。
蒸し暑い朝。
汗まみれになって起き、たまらずシャワーを浴びた。子供達もモソモソと起きて来た。暑さでモッサリした、そんな朝。突然
「ひょおうわあおううっ!」
なんとも形容しがたい、奇妙で大きな声を上げた。嫁にしては珍しいことだと思い、
「どうした!」
と駆け寄ると
「出た!」
ゴキブリが出現したという。それはちゃぶ台の脚付近にいて、朝っぱらから眠気を吹き飛ばす忌々しい姿を見せていた。殺虫剤を持って来た隙にいなくなった。
「脚の中にいるよ!」
と子供達が言う。ちゃぶ台の脚は空洞で、付け根部分から入れてしまう。厄介なことになった。
「パパ、脚の中に殺虫剤をしゅーってやればいいんだよ」
と娘・R(8才)が偉そうに指示をする。殺虫剤を脚の中に吹き付けてもいいのだが、苦しくなったヤツが中から飛び出してくるのは心臓に悪い。更に家の中でのたうち回られたくもない。
そんなわけでちゃぶ台ごとベランダに運んでから殺虫剤を吹き付け、出て来たヤツをポイと外に投げてさよーならー。カラスのエサにでもおなり!
「まったくどこから入ってくるんだか…」
ウチの中を常に清潔に保っている嫁は、心の底から憎んでいる感じで吐き捨てた。
「でかかったな…。あれはクロゴキブリだ」
隙間が1ミリでもあれば入ってこれるというのだから仕方あるまい。一方、子供達はのんびりしていたので、息子・タク(6才)に
「タク、もし君とRちゃんしかいない時にゴキブリが出たらどうする?」
女の子の前では退治するとポインツが上がるぞ、ということを言いたかったのだが
「うーん、見てるだけ」
弱!こいつはもっと鍛えないとダメなようだ。その点Rはいい。男の使い方を知っている。特に自分を好いている男の使い方を…。
蒸し暑く、虫暑い朝でありましたとさ。
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08月03日(金)
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