ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■父の日。
日曜日は父の日であった。

娘・R(8才)と息子・タク(6才)が超ニコニコ顔で

「パパ、ちちのひー!プレゼントー!」

手作りのプレゼントをくれた。折り紙で作ったバラの花束と、熱烈なお手紙。

「パパ、いつもありがとう♥
 パパ、大大大すき♥♥♥
 バラ、Rがつくったよ!
 また、あそぼうね            」

ううう…こんな言葉、いつまで言ってくれるのだろう。大事に取っておきたいと思う。ていうかよく考えると、バラの折り紙もお手紙もいずれもRが作ったものであり、タクは何にもしてないんだなあ…。まあいいけどぉ。

そして夜には嫁が刺身の盛り合わせを出してくれた。先月の母の日にはろくに嫁になんのもてなしもしていなかったのに…。いや、結構悩んだのである。しかし何か贈ろうとしても

「ワタシはあなたのお母さんじゃない」

とかひねくれたことを言ったり

「モノより時間が欲しい。家事から開放された自由な時間を…」

などと溜め息混じりで言うので、

「じゃあ何かお手伝いしましょうか?皿洗いでも…」

と恐る恐る訪ねると

「結構です!」

あんたにやらせると余計手間かかるわ、ぐらいの勢いではねられるし、踏んだり蹴ったりなので、そっと小さなカーネーションの花束を買って子供達からってことでふたりから渡したのみに留まってしまったのである。

「僕は君のお母さんじゃないのにすいませんねえ…」

等、ちょっとチクチクしたことを言いつつも美味そうなので素直にいただこうとすると、

「スーパーで買ったんだけど、父の日用の『おやじ盛り』って商品名だったよ!」

「えー!」

全裸の女の子を仰向けに寝かせ、体の上に刺身を盛る。これを「女体盛り」と言うが、そのオヤジバージョン的なビジュアルを想像してしまい一気に食欲が失せた。

そしてその隙を狙って最近寿司の味を覚えつつあり、食べられるネタの種類が徐々に増えつつあるRとタクに赤身やトロなどの僕が好きなネタを次々と食べられてしまっていた。ま、父の日なんてこんなものか。

こうなったら子供達が寝た後は乳の日に趣向を変えるしかないな、と思いつつも、そしたら嫁がマグロでってやかましいわ。

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06月19日(火)
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