ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■桑桑どうぶつランド。
朝、目が覚めると娘・R(8才)が枕元で僕の寝顔を覗いていた。

「パパ?」

「なに?」

「解雇」

「ええっ!」

「解雇なのよ」

「ええええっ!」

「これ見て」

とRが差し出す箱を開けてみたら、青々とした葉っぱの中に、チマチマと動く小さな虫が。

「蚕か」

「うん」

ああビックリした。何故寝起きに、しかも娘からリストラされなければならないんだ、と起き抜けにパニックになってしまった。心臓に悪いよ。蚕は学校で与えられた課題のようだ。

「葉っぱがしおれてるから、取ってきて」

とRはムチャ振りをする。

「葉っぱならなんでもいいってわけじゃないんだぞ。いきなり言われてもどこに桑の木があるかなんて知らんぞ」

「桑の木は学校にあるよ」

「じゃあ自分で取ってこいよ」

本当にちゃんと育てられるのか心配になってきた。今はカワイイが大きくなったらグロくなるだろうしなあ…。子供ちんことおっさんちんこぐらいの差はあるぞ…。

そしてRは今この蚕の名前をどうしようか迷っていた。

「プリンは?それともプリ子は?」

息子・タク(6才)が執拗に名前の案をポンポン出しているが

「たっくんはポムポムプリンから離れてよ」

タクの大好きなポムポムプリンにちなんだ名前しか出さないので却下されていた。

「蚕の観察日記をつけるのよ」

とのことで。ちなみに嫁が測ったら1センチ6ミリであった。早く大きくなって東京タワーにマユを作ってもらいたいものである。これからどんな蚕の観察日記になるのだろうか。

僕もせいぜい解雇オヤジの観察日記とか記されないように頑張ろうっと。

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06月02日(土)
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