ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■カレーのキレめが縁の切れ目。
シャバダバシャバダバー。

11PMのころに仕事から帰って来た。家に入るとモヨーンとカレーの匂いが僕を包もうとする。毎月9日はカレーの日なのだ。

既に嫁は寝ていて、ご飯を盛ってカレー鍋を暖めるだけで食べられるようになっていた。

ぶこぶこと鍋から音がし始めたので軽くかき回す。僕はとにかく腹が減っていたので、まだぬるいかもしれないけれども、待ちきれなくてとっとと食べてしまった。

今日のカレーはなかなか。前のカレーの日は「水っぽい」と言ってしまったら嫁の悪くなってしまったものだが、などと思い出しながら食べていたら、

「にゅるり」

明らかにカレーとは違う食感が舌に当たり、それが口の中に広がった。匂いも明らかにスパイス系のものでも具材のものでもない。これは…

「チョコだ」

と気付くのにツーテンポぐらいかかってしまった。だってそんなもんが入ってるなんて思ってもみなかったもの。隠し味にチョコを入れる、と言う話は聞くが全然隠れてないし。

酢豚にパイナポー。カレーにリンゴを入れられた時のものすごい裏切られ感と同じような苦しみを味わいつつ食べた、このミッドナイトカレー…。

食べた後、嫁にひとこと言わずにはおれなかったが、今ぐっすり寝ている嫁を叩き起したとしても、次はチョコどころではないモノを入れられる恐れがあるので、

「今日のカレー、チョコが入ってたよ!インド人もビックリだよ!」

嫁ケータイにメールを入れておいて寝た。

翌朝、嫁がぬはぬはと笑いながら言うには、

「あれねー、夜おやつにチョコ食べてたんだけど、あ、カレーに入れてみようって思ってポイッと入れてみたんだ。隠し味で」

とのことで、なんと、カレーが出来た後に単なる思い付きで無造作に投げ入れただけ、ということが判明した。

「隠れてないじゃん!混ぜろよ!」

「やろうと思ったんだけど眠くて…入れるまでで精一杯だったわ…」

睡魔のあまり超ぞんざいな処理になってしまった、というのが事の真相のようだった。

「いやむしろ入れないで欲しかった」

隠し味どころか後味が悪くなってしまったカレーのお話でしたとさ。

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05月11日(金)
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