ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■オムカエデゴンス。
5月1日はゴールデンウィークの間の平日。

僕だけ仕事が休みで、嫁はパートで子供達は学校であった。

「あなた、子供達のお迎えヨロシクね」

ひとりだけヒマな僕は、嫁から任務を授かった。普段なら集団下校なのだが、娘・R(8才)と息子・タク(6才)の下校グループがいずれも欠席者が多く、どうしても途中からひとり歩きになってしまうらしい。

距離としてはほんの200メートル程度なのだが、よく区が発信する防犯メールにはパンツの中身を見せてくれる親切なおじさんとか、パンツ見せてと声をかけてくるフレンドリーなおじさんの出没情報が少なくないため油断は禁物である。

嫁からRとタクのそれぞれの下校予定時間を聞き、友達と別れてひとりになるであろう交差点で待つことにした。交差点に立ち、パンツを出す準備を…って違う。

まずタクが先に帰って来るので、嫁に言われた時間より10分ほど早く交差点に着いた。この時、僕は「まだ来ないだろ」と油断して、タクの通学路とは違う道から交差点に来てしまった。これが間違いであった。

実はもうタクは予想より早く学校を出ており、僕が通学路じゃない道を歩いたため、出会うことなくすれ違い、家に着いてしまっていたのである。

それに気付かないまま交差点で待っていたら、タクとは別の5〜6人ぐらいの1年生グループが通り過ぎて行った。当然タクの姿はない。更に10分ぐらい待ったが、もう他に1年生は来ない。ここでようやく「予定より早いんじゃ…」と思うようになり、慌てて家に戻ってみると…

「ピポピポピポピポ」

ウチの呼び鈴を猛連打しているタクがいた。

「タク!ごめんよ!」

「パパ!どこに行ってたの!」

感動の再会。マヌケな父を許しておくれ…。さすがに小学生になっただけあって、泣き喚くこともなく、

「しばらく○○ちゃん家(隣の家)にいようかと思った!」

隣もピンポンしたのだという。いなかったらしいけど。

「じゃ、今度はRちゃんを迎えに行くべ」

1時間後、ふたりでRを迎えに行った。今度こそもっと早めに行って交差点で待っていたのだが、なかなか来ないのでタクが待ちきれなくなり

「もう学校の前で待ってようよ」

ということで校門の前まで来てしまった。しばらくするとゾロゾロと子供達が吐き出され、僕らと目が合うと

「あーっ、たっくんだあ。たっくーん」

わざわざこっちまで来てタクとハイタッチしていく女子児童が多数。タクが上級生女子にモテているという話は本当だったのか…。

「君、すごい人気だね…」

「あの子は学童で一緒なんだよ」

別に、といった感じで語るタク。う、羨ましい…。

しばらくすると

「あっRちゃんだ!」

タクが指差した先にようやくRの姿が見えた。Rは僕の顔を見るなり

「なんでココまで来るの!交差点って言ったじゃん!」

顔を真っ赤にして叫ばれてしまった。もしかしてアレ?みんなの前で親が来るとか恥ずかしいってやつ?しまった。もうそういうお年頃かああああ…。Rの同級生らしき女の子達もニヤニヤ見ているからやっちまったか…。

タクもRも怒らせてしまったなあ…。

これがホントの送り迎えならぬ怒り迎え。なんちて。

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05月03日(木)
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