ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■西友、セイミー。
息子・タク(6才)の靴を買いに出掛けた。

娘・R(8才)の靴も買ってやろうとしたのだが

「いらない」

と本人が言う。ただ嫁から

「かわいいハンカチが欲しいって言ってたから買ってあげて」

と耳打ちされたので頭に入れておく。

ふたりを連れて西友に入ると

「わーい!デパートでお買い物だー!」

とタクが叫ぶのでいきなり恥ずかしくなる。

「ここはデパートじゃねえ!」

もっとも僕も高校生ぐらいまで最寄りのイトーヨーカドーをデパートだと思っていたが…。高校生になって初めて近くにデパートが出来たのでそれまで滅多に行ったことがなかったのである。

「ボク、赤い靴が欲しいんだ!」

と言っていたタクが真っ先に選んだのはアメリカザリガニみたいな色合いの靴であった。

「えー…ザリガニみたいじゃん」

「いいの!」

本人がいいと言うのだから仕方あるまい。

「試着しとけ」

靴は棚の上の段から順にサイズごとに別けられていたので、20センチの棚からひとつ取ってタクに履かせてみた。ちょうどいい、ということなのでそれに決定。それを見ていたRが

「やっぱりRも欲しいナー…」

とモジモジおねだりしてきたので

「やっぱりな。どれがいい?」

と選ばせてみたら、白に藤色のようなパステルカラーのラインが入った靴をチョイス。サイズはタクと同じだ。靴を選び終わって

「ハンカチも欲しいんだよね?」

とハンカチ売り場に行こうとしたら

「欲しくないよ」

Rがきょとんとした顔で言う。

「え、でもママが言ってたよ」

「R、言ってない」

嫁は何を聞いてたというのだ…。そんなわけで靴だけ買って帰り、嫁に見せてみたら

「タクの靴のサイズが違う!」

「えー!」

ホントに「19」と書いてある。何故そんな間違いを…。ちゃんと「20」の棚から取ってきたのに…。実は思い当たることがある。タクが試着したのは確かに「20」であった。しかしちょっとでもキレイな靴を…とイヤらしい行動に出てしまったのが命取りであった。タクが試着したのを戻し、隣にあった靴を買ったのである。それが「20」の棚に紛れ込んでいた「19」だったのだろう。油断してサイズ確認しなかったのだ…。

「パパ!替えてきて!」

「じゃ、交換ヨロシク」

タクと嫁から集中砲火を浴び、再び西友に戻らざるを得ない僕であった。

セイユーアゲイン。なんちて。

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05月01日(火)
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