ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■バスの踊り子。
お風呂で娘・R(8才)が踊っていた。

おケツを父に向けてただひたすらに踊っていた。もうこういう姿を見られる時間はあまり残されてないのだろうなあ…と寂しくなりながらも、やはり裸で踊る姿はマヌケであった。

「なんだいその踊りは」

とりあえず聞いてみると

「えーっと…年長の時、お遊戯会で踊ってたやつ」

「あー、そういえば」

Rの幼稚園では年1回、クラス全員で踊りを披露するお遊戯会があって、年少の時は「しずくちゃん」というアニメのテーマソングに合わせて踊り、年中の時はPerfumeの「チョコレイト・ディスコ」であった。で、年長の時は…

「あれ、年長の時は何の曲だったっけ?」

「なんだっけ?忘れた!」

僕もRも、Rの踊りを湯船に浸かって冷ややかな目で見ていた息子・タク(6才)も忘れていたのである。

「年少年中の曲は覚えてるのに。一番後の年を忘れちゃうなんて変なの」

「踊りは覚えてるのにな」

Rは両手でハートマークを作る。そうそう、決めポーズがそれだったよな。Rが手のハートを僕に近付けながら言う。

「練習してた時ね、このハートのポーズをするとね、男子に『こっちにハートむけんなよーキモイ』って言われたんだよ〜」

ほほう。きっとその男子は萌え萌えキュンとなってしまったに違いない。

「きっと照れてたんじゃないのか」

「そうかな〜?」

などと練習風景の話まで思い出されているのに、肝心の曲がなんだったのか、全く思い出すことが出来ない。モヤモヤとしたままお風呂を出て

「なんだったっけ?」

と嫁に聞いたら

「今夜はブギーバック!」

あっさり答えが返ってきた。そうだ。そうだった。昔そんな曲あったね、ぐらいの薄い印象な上に、スチャダラとオザケンのオリジナルではなくて最近の変なカバーバージョンだったため、記憶に残っていなかったようだ。

しかしその時その時の担任のチョイスだというが、どういう判断で選曲していたのだろう、と今更ながらに思うのであった。

Rはパジャマになってからも再び踊り出したので、

「今度は何の踊りだよ!」

いい加減寝る時間だろう、とメッとしたところ

「ムシキングサンバ!これは、2年生の時、6年生を送る会で踊ったんだよ!」

「はあ?」

卒業生を送る、というわりとシリアスな場面でムシキングサンバ〜?どんなんだか知らないけど、曲名の字面だけでイロモノ臭プンプンではないか。小学校になってもやはり選曲基準は謎である。

今夜はヨメーをバックしたい。

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04月27日(金)
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