ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■クルクル母来る。
土曜日の朝。栃木の母と池袋駅で待ち合わせをした。
「会いたくて会いたくて」
と西野なんたらなみに震える勢いだったので、今週末は娘・R(8才)と息子・タク(6才)に栃木の実家で遊んでもらうことにしたのだ。
勿論僕も嫁も付いて行きたかったが仕事のために断念。僕が仕事に行く途中にRとタクを池袋まで連れて行き、そこで母と待ち合わせ、母は子供達を連れて栃木にトンボ帰りする、ということになっていた。
「早くおばあちゃんにあいたいな〜」
ふたりともウキウキしていたが、特にタクが浮かれ過ぎていてフラフラしたり走り出したりでまるで地に足が付いていない。ただでさえ広くて人がたくさんいる池袋駅。過去としまえんで迷子になったという、マイゴラーとして立派な実績を持つタクであるので
「タク!走るな!ちゃんとパパのそばにいろ!」
と釘を刺しておいた。
「大丈夫よ。Rがちゃんと手をつかまえておくから」
3年生になってちょっとお姉さんぶるところが出て来たようなRがナイスアシストを見せた。しかし1分後、みどりの窓口で待ち合わせしていた母を見つけた途端
「あばあちゃーん!」
思いっきり走り出すではないか。
「おいこら待て!」
この鳥頭がああああ!と叫んだものの止めることは出来ず、
「おばあちゃ…ふごお!」
案の定、反対側から歩いて来たおっさんにすれ違いざまぶつかってコロンと転がった。
「だから行ったろ!」
実はRもタクを捕まえておくどころか一緒に走り出そうとしていたが、出遅れたのが幸いし、タクがすっ転んでいるのを見てビクッと止まっていた。
「いやいやいや、大丈夫かい?」
Rとタクに抱き付かれて母は嬉しそうだった。
「では土日頼みます」
とふたりを引き渡そうとした時、
「嫁さんにちゃんと言ってあるのかい?」
母が不安そうな顔で僕に聞く。
「もちろん言ってあるよ」
「いや、メールで『子供達がお世話になるそうで』って書かれてて、あんまり聞いてない風な感じだったから…」
「まあ、あいつはそういう書き方をするのだ」
「そうなんけ」
なんとなく嫁に対してビクビクする母の姿が垣間見えた。
「明日は何時ごろ連れて来たらいい?」
月曜は学校があるので栃木には一泊二日しかいられない。明日も池袋駅で待ち合わせて母にRとタクを連れて来てもらうのだが、その時間は何時頃がいいか、と母が聞く。
「夕方5時ぐらいでいいよ」
と僕が言うと
「え!あんま遅いと嫁さんに怒られるから2時ぐらいがいいかと思ってた!」
「だいじだよ(栃木弁で"だいじょうぶ"の意)。昼間は僕も用があるから夕方の方が都合がいいんだよ」
「じゃあ嫁さんにちゃんと言っておいて!怒られるから!」
「だいじだっての!」
母、嫁を恐れ過ぎだろう。僕チンの知らないところで嫁姑の争いが勃発してるんだろうか。まじで知らないんですけど。
ふたりの孫に挟まれて、まさにマゴマゴしている母なのであった。
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04月08日(日)
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