ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■この道は、いつも行く道。
朝の道をてくてく歩く、Rとお友達・なおちゃん、タク、そして僕。

Rとなおちゃんは学校へ、僕は会社に行くのである。タクは単に付いて来ているだけ。

昨日の日記に書いた通り、さんざん迷った結果、タクの熱意に打ち負かされた形でやるはめになった進研ゼミ。

「ボク、チャレンジ1年生(進研ゼミの1年生用商品名)やることになったんだよ〜」

早速なおちゃんに自慢していたら、

「うち、1年生じゃないし」

と冷たくあっさり返されてしまっていた。

「ははは、タク、そんなこと自慢にもならないぞ」

なおちゃんはソロバンや公文をやっているのだから。努力家なのだ。そんなことを喋っているともうお別れの交差点。もう、と言っても家から50メートルほどの、ほんの1ブロックの道のりであるが。

R達は右、僕は左、タクは家に戻る。じゃあねとR達に手を降って、タクとは握手。そんな別れの儀式をしていたら、とあるご婦人が

「あらー」

ぶらり途中下車の旅のナレーションのような声を上げて立ち止まった。なんか僕らを見ている。

「じゃーね、バイバイ。ふおおおおお!」

タクが全力で走って家に戻って行く。家の中に姿が消えるまで僕は見送る。その様子をご婦人も一緒に眺めて、

「いつもそうやってお出かけされるのですねえ」

にっこりと微笑んで僕に話しかけた。

「はい、まあそうですね」

「では行ってらっしゃいませ」

「あ、どうも。お気を付けて…」

僕と一緒にRやタク達を見送るなんて、何か心に止まるものがあったのだろうか。年の頃はアラ還っぽい、振る舞いに上品さが漂う清楚なご婦人であった。例えるならば、旅館の女将のような…。

はっ…送り女将!

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02月25日(土)
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