ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■そうです私が変なおじさんです。
夕暮れ時、公園で娘・R(8才)と息子・タク(6才)を遊ばせる。

何故かふたりのブームはコマで、必死に回す練習をしているのだが

「こうするといいよ」

という僕のアドバイスを

「こでれいいの!」

まるで聞かないのでわりと絶望的である。もう勝手にしやがれ、とベンチで缶コーヒーを啜っていると

「コワイ人が来た!」

Rが必死の形相で走って戻って来た。すわ不審者か…と身構えると、Rの指差す方向には、どっちかっていうとただの散歩のお爺さん、といった感じの人がゆっくりと公園の回りの道を歩いている。

「あの人かい?」

「そう、Rのことをじーっと見てたの!サングラスこわいの!」

確かに藤子不二雄A先生みたいな感じであるが…。あんまりジロジロ見るのもアレなのだが、その人はベンチによっこらせ、といった感じで座ってタバコを吸い始めた。別に子供を取って食おうという感じは全くしないのだが…。

「大丈夫だよ。もし変な人でもアレならパパ勝てるから」

とRを安心させようとしたのだがRはびびってしまいもう遊ぼうとしない。

「じゃあ離れて遊べばいいじゃん」

「やだ!」

ちょっとでもその人が視界に入るのがイヤらしく、木の陰に隠れてしまって動かなくなってしまった。大げさなんだよ!と教えようとしたが、日頃から警戒する気持ちは大切であり、どういう人がヤバくてどういう人は大丈夫、と、一概に言えないのでなかなかどう言っていいか難しいものである。

しばらく僕もチラチラと観察していたが、別にRのことを見ているわけでなく、ぼーっとタバコを吹かしているのみ。Rの杞憂だと思うのだが…。僕もハッキリ「不審者でない証拠」を言えないのがもどかしい。

そんなわけでRが木の裏に隠れる地蔵になってしまったので

「じゃあもう帰るかね」

ということで帰ることになってまった。

「で、コマ回せるようになったか」

「まだー」

コワイのは不審者。
君達はコマ初心者。

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02月07日(火)
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