ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■WONDER2
朝、学校に行く娘・R(8才)を含む集団登校する近所の子供達、そして途中まで一緒に行く僕は、ウチの前にまだ残っているカチカチに凍った雪を足で砕いて蹴っ飛ばしたりして遊んでいた。
誰かが作った雪だるまも昨日よりふたまわりぐらい小振りになったとはいえ、未だに残っていた。
「これ、誰が作ったんだっけ?」
Rに聞いてみたら
「Aちゃん!」
一緒に登校する同級生のうちのひとりの名を挙げた。Aちゃんはまだ家から出て来ない。僕とR達は彼女が来るのを待っているのである。待っている内に雪遊びに夢中になってしまっているRを見て、もう時間がないから行っちゃおうか…と言おうとしたところ、
「あれ、Aちゃん」
いつの間にかAちゃんが家の前でむすーっとした表情で無言のまま仁王立ちしていた。いつから外に出ていたんだろう。このAちゃんという子、なかなかの不思議ちゃんである。Rも頭の中がお花畑系のボーッとした不思議ちゃんだが、この子は鳥居みゆきみたいなどこに飛んでいくか分からない飛び道具系の不思議ちゃんなのである。
僕の声でRも気付いて
「出て来たんなら声掛けてよう」
Rにしては珍しく抗議口調で呼びかけたのだが、Aちゃはそれに答えず、むすーっとしたまま歩いて来て自作の雪だるまを触った。結構行動パターンが読みづらい…。そして
「この雪だるまは昨日と違う場所に移動してます!なんでか知りたい?」
唐突にそんなことを言い出した。しかしRは
「知りたくないし」
不思議ちゃん対決が始まったー!まずアタシが言ったことに答えろよ、とばかりにぶっきらぼうだ。
「なんてかとゆーと!昨日、ちょっと雪だるまの体を直したから動かしたのでした!」
AちゃんもAちゃんで全然めげない。そしてRは
「べつに聞いてないし」
シカトし通すつもりだー!なんで朝っぱらからこんなギスギスしてんのよう…。これまでの僕の人生、女の争いに首を突っ込むとろくなことがなかったので、
「ほらほら、さっさと行くよー」
とっとと出発するしかなかった。RはAちゃんと仲が悪いというわけではないが良くもなく、もうひとりの近所の同級生Bちゃんが親友である。
RとAちゃん…。不思議ちゃん同士だから噛み合わないんだろうなあ…ということがよく分かった。
まさに世界不思議ちゃん発見である。
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01月27日(金)
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