ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■タクは6才、6才。
息子・タクは6才の誕生日を迎えた。

誕生日の週の日曜日に祝ってやろうと思い、お楽しみな計画を立てた僕である。

まず、バースデーケーキ。タクの好きなキャラを描いてもらうよう街のケーキ屋さんに頼んだ。タクが選んだキャラはポケモンのペルシアン。なかなか渋いセレクトと言えよう。曰く、

「カワイイのよりカッコいいポケモンの方ががいいんだ」

とのこと。

これを日曜の午前中に受け取り、夜のお楽しみにする。で、昼間はとしまえんで遊びまくることにした。ちょうど「仮面ライダーフォーゼショー」が開催されるからである。

仮面ライダーフォーゼとは、日曜の朝にやっている仮面ライダーシリーズの最新作で、ショーが始まると、ほんの数時間前、朝テレビに出て来た怪人がそのまんま出ていたのでちびっこの興奮度も高まっていた。そしてフォーゼ登場。

「宇宙、キター!」

これは主人公がフォーゼに変身する時のキメ台詞である。聖闘士星矢みたいに星座にちなんだキャラの怪人が出て来たり、宇宙が舞台になったりするので宇宙がテーマのひとつらしい。ていうか2ちゃんねらーか。そしてこの日のショーではアドリブなのか

「としまえん、キター!」

と叫んでいた。この手のショーのお約束で、ヒーローがピンチになると司会の自称お姉さん(実際は推定アラフォー)が

「みんな、フォーゼを応援しよう!がんばれー!」

と呼びかけると、会場は

「がんばれー!」

素直なちびっこたちの大声援に包まれるのだ。娘・R(8才)も息子・タク(6才)も以前はそうしていたものだが、今は

「えー、いいよ」

わりと覚めた目で見るようになってしまった。ふと気づけば周りの子供達と比べると、Rもタクも年長者になってしまっている。誕生日を迎えただけあって、いつのまにか成長したものよ…とここでも改めて感じた。

フォーゼショーが終った後、

「なんか乗り物乗るかい?」

と聞いてみたら、せっかくとしまえんに来たのだから当然いろんな乗り物に乗りたいと言うRを押しのけ、

「やだ!早くプレゼント買って!」

タクはもう誕生日プレゼントしか頭になかった。もう何日も前からニンジンを前にぶら下げられた馬状態なんである。しょうがないのでRをなだめ、とっとととしまえんを切り上げて隣のトイザらスに入った。

タクが欲しくてしょうがなかったのは、ポケモンカードゲームセット。これを満面の笑みで手にとって僕に

「買って」

と渡し、会計を済ませて改めてタクに渡した時の顔といったら…急に便意に襲われたけれども、ギリギリトイレに間に合った出た時のようなさわやかさ。

「すごい嬉しそうだなー」

「だってずっとコレ欲しかったんだもん!」

とのことで…。

Rとタク
で、夜はゴハンを食べた後、お楽しみのケーキ。ローソクを6本立ててハッピーバースデーの歌を歌って、タクはローソクの火を吹き消した。そしておもむろに

「たんじょうび、キター!」

とシャウト。誕生日のこの日をよほど待ちわびたんだろうなあ…。

誕生日が嬉しかったのって、いつぐらいまでだっただろうか。思い出しても思い出せそうにもないが、トイザらスで目を輝かしていたタクの表情は、かつての僕にもあったんだろうなあ…。オモチャ屋に入った時のワクワク感は未だに覚えている。

宇宙とオモチャ屋はよく似ている…。

どちらも「ほし(い)」がいっぱいあるでしょう。

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10月25日(火)
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