ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■あとは解くだけ。
夜、子供達を寝かせる。

僕が真ん中で左に息子・タク(5才)、右に娘・R(8才)。ちょうど「小」の字になって寝ているのである。

「もんだい出してー」

寝ろと言ってすぐ寝る子供達ではない。ふたりとも寝る前にクイズを出せと僕に要求するのだ。寝る前に昔話やお伽話をして…というのが定番なのに何故我が家はクイズになってしまったのだろうか。子供達は市原悦子より児玉清を選んだということなのだろうか。

それはともかく、はじめのうちは僕も一生懸命クイズを考えていたがそのうちめんどくなり、今は適当にネットで検索して問題を拾ってくるのだが…

「はい、分かった人はこしょこしょして〜」

答えが分かった順から僕の耳元にコッソリ答えるRとタク。どちらが早いかというと、どちらもいい勝負なのだが、今日はタクがどうしても答えられなかった。

「答え言っちゃっていい?」

「やだ!」

という問答を何度か繰り返し、ようやく降参したタクは僕に答えを告げられると

「もういい!」

布団のはじっこまで転がって行き、壁と向かい合っていじけてしまった。ふん、勝手にいじけてろ。Rとだけ一緒に寝ちゃうよ〜とも思ったのだが、こちらに向ける背中がやたらと寂しい。本当に寂しいのだろう。しかしへそを曲げてしまったため、引っ込みが着かなくなってしまっているのだろう。

「ほらタク、こっちおいで」

「やだ!」

「一緒に寝ようよ」

「やだ!」

声を掛けたり頭を撫でたり手を繋いだりして徐々にタクをこちら側におびき寄せた。拒絶したり手を振り解いたりしていたタクも、甘えたくなってきたのかジリジリと僕に近付いてきて、最後は

「もちはもちでも食べられないもちは、やきもち〜」

とか言いながら僕に抱き付いてきた。ういやつじゃ。負けず嫌いでちょっとでもRより遅かったりするとすぐいじけたり怒ったりし気むずかしいところがあるタクであるが、まだまだちょろいものである。

クイズだけに、どんなもんだい!なんちて。

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09月21日(水)
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