ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■月が出たホイのほさほいのほい。
夜、家に帰る途中、通りがかりの酔っぱらい集団が
「月が出た出た〜」
と歌いながら空を見上げていたので僕もそうしてみたら、白く、強く、そしてどことなく冷たげな光を放つ月が浮かんでいた。そうだ。今日は仲秋の名月だったのだなあ。
いつも下を向いて歩いている僕には気付かなかったことであるよ…と家に着くと、ベランダに月見団子とお手紙が置いてあった。嫁が娘・R(8才)と息子・タク(5才)と一緒に月見団子を作っていたらしい。そして月のウサギさんに宛てた手紙も書いたらしい。
既にふたりは寝てしまってるが、超ワクワクしながら作っていたさまが目に浮かぶようである。またそれだけでなく、ここらへんが嫁の凝り性というかよくできたところというか、子供達が寝ているうちに、嫁がまん丸にウサ耳が付いた感じの団子をまた作り、
「Rちゃんたっくんお団子ありがとう。ウサギより」
という手紙を書いてまたベランダに置いておくんである。それで翌朝、起きた時に
「うさぎさんがきたー!」
「寝てるあいだにきてたんだ!」
Rとタク、大興奮。僕はよかったねえ、とか言いながらも嫁にこそっと
「タクはともかくRはそろそろ気付いてるんじゃないか?」
タクのことを考えて、空気を読んで驚いたフリをしてるのではないか…と囁いてみたところ
「いや、あの子もガチ。昨日本気で目をキラキラさせてお団子作ってたから」
まだまだRは幼いようだ。
話は前後するが夜一旦家に帰ったものの、月があんまりキレイだったので真夜中改めて外に出てみたんである。月を見ながらジュースでも買いに行くべか…と最寄りの自販機まで歩いて行き、お金を入れようとしたところ、すぐ横の家から
「あんあんあんあんあん!」
パンパンパンパンパン!というすっごいエキサイティングなエロサウンドが聞こえてきた。思わずジュースを選ぶフリしてしばらく聞いてしまったではないか。やがて向こうから歩いて来て、やはり歩みをピタッと止めてしまった知らないおっさんと目が合ってしまい気まずくなったが…。
夏目漱石は「I love you」を「月が綺麗ですね」と訳したそうだが、この人達は月が綺麗だと「I want you」になるんだろうか。僕も月明かりの下、こんな熱い夜を過ごせたらいいのになあ。
突きに願いを。
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09月14日(水)
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