ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■フレッシュ、フレッシュ、フレーッシュ。
「パパ〜、いつとこやさんに行くの〜?」

娘・R(7才)が、いつ僕が髪を切るのかを気にしていた。Rも髪が伸びてきたので僕が床屋に行く時に連れてって欲しい、ということなのであった。

僕もそろそろ切りに行きたいと考えていたところだ。伸びてきたし暑くなってきたし、短めに切って、髪を切った私に「違う人みたいね」と言われたりして、みたいな。

行くところは近所の高級千円床屋なのだが、一緒に行くのは嫌いではない。Rが床屋さんの椅子にちょこんと座り、テルテルボーズみたいに布を被せられているさまはカワイイ。そして千円のわりにはRの髪も丁寧に整えてくれている。

「じゃあ今度の土曜日に行くか」

そういうことになった。ただしRが行くとなると

「たっくんも行きたい!」

息子・タク(5才)も行きたくなるのは当然なのだが

「お前がパパがボウズにしてやる」

千円をケチるため僕がやるのであった。本当はタクをボウズにするのはあまり気が進まない。僕は中学生の時、男は全員ボウズという校則だったため

「中学は刑務所か!」

という恨みと心の傷が未だにあって、ボウズが嫌いなのだ。しかし夏になるとタクの頭は野良犬のような臭いがしてくるし、当のタク本人が

「早くボウズになりたい〜」

海老蔵かと言いたくなるほどボウズ好きなので、夏はボウズにすることにしているのだ。で、自分は床屋に行けないと言われたタクは

「えー。でもたっくんも床屋さんでアメ玉もらいたい…」

と拗ねる。高級千円床屋では「ご自由にどうぞ」とキャンディーボックスがあり、いっこずつアメをもらったことを覚えているのだ。

「そんなんパパがあげるわ」

千円節約できることを考えたらアメ玉などお安い御用である。僕がいくらでも用意したるわ。まさにアメと父。

何事にもめんどくさがりの僕には珍しく、タクの頭をバリカンで刈るのは好きだ。実家の庭を芝刈り機でバリバリ進んでいく爽快感に似ている。庭の芝を刈っているとバッタがピョン、と出て来たりね。頭を刈ってたらシラミが…とかだったらシャレにならないけど。

今は僕と仲良くお手々繋いで千円床屋に行くRも、そのうち美容院に行きたいとか言い出すんだろうなあ…。空きテナントが出ると美容院かラーメン屋か不動産屋のいずれかが入る、と言われているほど美容院が溢れているこの街で、オサレに目覚めた女の子がわざわざ千円床屋に行くわけもなかろう。

僕としてはいつまでも一緒に床屋に行きたいなあ…と、まさに後ろ髪を引かれる思いなのであるが、それを強要したところで

「パパキライ」

と言われ、これもまさに髪の切れ目が縁の切れ目なのであろう。

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06月25日(土)
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