ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■賛同できないサンドイッチ。
嫁がパートの仕事に行ってしまった昼、ゴハンはどうしようかと考えていたら
「サンドイッチ作りたい」
と娘・R(7才)が言う。ところが息子・タク(5才)は
「Rちゃんは先週牛丼食べたんでしょ?たっくんも食べたい」
先週Rとふたりで『なか卯』に言ったことを追求し、反対した。普段は3歩歩くと忘れる鳥頭のクセに、食い物に関しては蛇のような執念である。ふたりとも食い意地が張っているのでRはサンドイッチ、タクは牛丼と一歩も譲らない。
そこで優しい優しい僕はタクだけのためにみんなでなか卯に行き、ミニ盛りの牛丼をひとつテイクアウトしてやり、Rには
「何を挟みたいかナ?タマゴかな?ハムかな?」
僕は巨乳にちんこを挟みたいものだがそれは置いといて、サンドイッチを作るにあたり足りない具があったら調達しなければと御用聞きと化した。…と、ここまで自分の行動を文字に起こしてみると、なんて甘やかしなんだ、と我ながら気付いた。リクエストなんか聞かず、有無を言わさず
「コレ食べなさい」
いやなら食うな、でいいんである。子供と過ごす時間が少ないからついテンションが上がっちゃうんだよなあ…。
タクはミニ盛りとはいえ、ファミレスのキッズメニューなんかよりずっとボリュームがあると思われる牛丼をぺろっと全部食べてしまったので驚いた。最近体もでかくなったし、顔付きもだんだん男っぽくなったよなあ…と成長の証をつくづく感じる。
さてRはサンドイッチに何を挟みたいのかというと、結局冷蔵庫にあるブルーベリージャムとチョコレートクリームを塗るだけでいいのだと言う。
「パパー。包丁取って」
「あいよ」
子供用の包丁で食パンを切り、耳も切り落とす。わりと手慣れたもんだね…と安心して台所を離れたのがいけなかった。やがて
「パパ、できたよー」
得意気に『見て見て』と言うRに呼び戻され、そこで見たサンドイッチ完成品は、ブルーベリーとチョコレートクリームがぐっちゃぐちゃに混ざり、なんともいえない色になっていた。
「なんで一緒に塗るのー!別々にしなさいよ!」
「やだ!ママもこうしてるもん!」
「うそつけ!」
「ホントなの!おいしいの!」
「ホントに〜?」
「ホントだよ!パパにも食べさせてあげる!」
「いや、それはいい」
いくら僕が別々に塗りなさいと言ってもきかず、恐るべきお手製ブレンドサンドイッチもしゃもしゃと食べるRなのであった。
さすが耳を切り落としたサンドイッチなだけあって、聞く耳持たないってか。
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05月29日(日)
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