ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■人を見たら変質者と思え。
娘・R(7才)が学校のそばで奇妙な男を見かけたという。
「学校のそばの坂道の下で〜、ガードレールのそばで〜、前髪が長くてケータイを見ながらずっと立ってるの〜」
すぐさま「すわ変質者か」と思ってしまう僕は神経質なのかもしれない。「早く家に帰りな」と声をかけただけで不審者扱いされ、地域の防犯メールに載せられてしまうピリピリとした世の中。
僕が子供の頃も学校周辺に怪しい人はいた。通学路の端でオモチャを広げ、売り付けようとするオヤジとか。
また「死後さばきにあう」系のキリスト教団体も通学路で待ち受けていて、紙芝居や小冊子で神の教えを説いていた。その紙芝居や小冊子がノーフューチャーな内容で、神を信じない人達が地獄に堕ちるさまをおどろおどろしい絵と口調で切々と説くものだから、ピュアな子供心にトラウマを植え付けるのに充分なインパクトであった。
もっとも僕と周りの友人達は逆にその不気味さに魅力を感じ、他の友達がもらった小冊子までもらったりして競うように集めていたのだが、どこいっちゃったろうなあ…。

こんなの。
そんな怪しい商売人や宗教団体もいたし、本当に単に変な大人もいたけれども、田舎なこともあってのどかなものだった。
だから必要以上に神経質になってはいかん、そのケータイいじりもせいぜいただの変なヤツだろうと思いつつも、やはり可愛い可愛いRのことを考えるとやはり警戒してしまう。
Rは学年で一番小さいので、大人がその気になれば軽々と抱えられてしまう。
「いいか、絶対ひとりで歩くなよ。それと変な人がいたら先生に言いなさい」
一応Rに念を押しておいた。そして今朝登校する時に、
「今日もいるかな〜、『おばけ』」
一緒に学校に行くAちゃんにそんなことを言っていた。Aちゃんとの間では既にそのケータイいじりはオバケ扱いされているようだ。僕もそいつのことを「妖怪ケータイいじり」と名付けることにする。
「ぼくも行く〜」
Rと僕らが歩き始めると見送りの息子・タク(5才)もついてきた。いつも僕とR達が別れる最初の交差点までついてくるのだ。
「じゃあいってらっしゃい」
僕が駅に行くので左の道、R達は学校へ行くので右の道。そしてタクは来た道を走って戻る。毎日必ず判で押したように
「んがああ〜」
とか言って全速力で走るものだからおかしくてしょうがない。
「お前は朝いつも走っていたなあ〜」
と、いつかは微笑ましい思い出になるだろうと思い、その遠ざかる後ろ姿を撮ってみた。
通学路でケータイ画面をにやつきながら見ている男…。
はっ。僕が妖怪ケータイいじり!
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05月20日(金)
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