ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■栃木三昧の三枚。
栃木帰省中に撮った写真を何枚か。
「岩船山」という山がある。よい石が採れるので江戸時代から思いっきり採掘されていて、岩肌もあらわな崖だらけの山である。子供の頃、よく
「パカーン」
という発破の音が聞こえてきたのはおそらくこの採掘現場からだと思う。その山が今回の大地震で崩落した。

この写真でVの字にえぐれているところがそうだ。グーグルマップの航空写真を見てみると、山の両側から採石されまくり、ほっそーくなっている部分があり、ここが崩れたっぽい。棒倒しに例えると極限まで砂山を削り、次触ったら絶対倒れるだろ、みたいな状態になっていた。
一部ではあるけれども生まれた時からずっと見ていた山の形が変わってしまうなんて、かなりの違和感であり衝撃的であった。山の形が変わるなんて思ってもみなかったので…。山の一部だけでもこれだけのショックなのに、生まれ育った街全部が津波に飲み込まれてしまった東北の被災地の方々は…僕なぞ想像できない程の恐ろしさと悲しさなのだろう。

次はこれ。栃木が誇る名物「レモン牛乳」と、最近新発売となった「イチゴ牛乳」のペア。レモン牛乳はランチパックを始め、様々なレモン牛乳味のコラボ商品を出しまくっている。栃木乳業、おそろしい企業…!
娘・R(7才)も息子・タク(5才)も飲みたがる人気のレモン牛乳であるが、
「パパが子供の頃はこんなもんじゃなかった。もっと甘くて臭くてザラザラしていたんだ」
絵の具をそのまんま溶かしたような毒々しい黄色の液体。ドクターペッパーのようなケミカルな匂い。何が入ってるんだか不安になってくる舌のザラツキ感。昔はもっといかがわしさプンプンの不健康ドリンクだったんだぜ、と自慢する僕である。
そういえばマックスコーヒーという甘くて有名な缶コーヒーがあるが、茨城千葉栃木でしか売ってなかった頃はもっと甘かったんだぜ〜、とこれも昔の味を知ってる僕、カッコイイ、みたいに自慢する僕であるが、果たして本当にそうなのだろうか、とふと疑問が湧いてきた。
昔の方が甘い、クサイ、というのは初めて飲んだ時のインパクトの記憶があるからであり、何十年と飲み慣れてしまった今では舌が慣れてしまい、昔ほどの刺激がなくなってしまったからではないか…と。本来の味というのは実はほとんど変わっていないのかもしれない。

最後はこれ。僕らがよく行く実家近くのラーメン屋のメニューである。「しょうがラーメン」という一風変わった看板メニューの他は至ってシンプルな品目なのに、唐突にあるのが「もつ煮」だ。
栃木のラーメン屋には高確率で「もつ煮」があることが多い。栃木県全体を調査したわけではないので少なくとも僕の行動範囲だった栃木県南部、それも栃木市・佐野市近辺に限った話かもしれない。
子供の頃は親に「もつ煮がうまいから」と、もつ煮目当てで連れて行かれたラーメン屋もあるほどである。
「ラーメン屋にもつ煮があるのはこの辺だけの特徴なんだ、って上京してから気付いたんだよね。なんでこの辺りはラーメンともつ煮がセットなんだろうね」
と母に聞いてみたら
「え、なんで東京のラーメン屋はもつ煮ないの?」
生まれも育ちも栃木の母は、感じ方が僕とまるで逆なのであった。ラーメン屋に入って
「なんでもつ煮ないの?」
と暴れ出す人がいたら、また、焼きそばを見て
「なんでジャガイモ入れないん?」
と暴れ出す人がいたらそれは栃木人(しかも南部)である。
ふるさとは もつ煮ありと 思うもの。なんちて(今日は苦しい)
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05月03日(火)
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