ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■もう恋なんてしないなんて言っとくれよ絶対。
「パパ、『こい』って何?」
息子・タク(5才)が唐突に聞くので
「公園の池にいるじゃん」
と答えたら
「ちがう!」
とキレられた。何か意味を含んだような問いかけだったのでやはり「恋」のことなのだろう。タクが分かりやすいように噛み砕いて話さなければなるまい。
「恋っていうのは、男の子は女の子を、女の子は男の子を好きになって、ドキドキするぐらい大好きになっちゃうことなのだ」
こんな感じで説明してみたものの
「はて…」
必ずしも異性間限定とか限らないのでは…と迷ってしまった。現にタクが一番好きなのは男の子である。ちっちゃくて可愛い子なのは確かなのだが、タクの可愛がり方は度が過ぎていて、会う度に
「○○た〜ん。カワイイ〜」
抱き付くわ頬擦りするわで、僕は「タクには孫を見せてもらえないことになるのか…」と観念したほどである。なので
「でもタクは○○くんに恋してるってことになるのかな?」
と聞いてみると
「好きな女の子ができた!」
「えええええー!」
ウチの子は両刀だったのか…。
「誰よ。教えてくれよ。カホちゃんか?」
以前娘・R(7才)の友達の中で、やたらとタクが甘えていた女の子がいた。その子の名前を出してみたが違うと言う。
「じゃあ誰よ!」
「教えない」
「えー。ケチ」
「あとでママにだけコッソリ教えるね」
僕には絶対教えないと言い、横にいた嫁にニンマリと笑みを向ける。
「なんでパパには教えてくれないんだよう」
「ないしょ!」
「教えろ」
「やだ」
しばらく押し問答が続いたが、名前を聞いたところで
「僕が知っているはずないではないか…」
ハタと気が付いてわりとどうでもよくなった。ところが僕らのドタバタをずっと端で見ていたRが何を思ったか
「Rちゃんも好きな男の子決めた」
急に声高らかに宣言するので
「ええええええー!」
僕、心臓が喉から、うんこがアナルから飛び出しそうなぐらいびびった。遂にRに初恋の人が…。
「R…ほんとか…。誰だ」
「おしえなーい」
「教えなさ…い、いや、いいや…」
ううう…これ以上この事実を掘り下げる勇気がない。知りたくない。現実と向かい合いたくない。
Rも先程のタクと同じ「好きな人がいる」発言なのにどうしてこんなに衝撃が段違いなのか…。タクの場合は
「誰が好きなんだよー。教えろよー」
小学生の修学旅行の夜みたいなノリだったのに、Rの場合は深刻すぎる。もう僕が姥捨て山に放り投げられたような疎外感のズンドコである。
いやいやしかし、敢えて「決めた」と言っているあたり、無理矢理感があるので本当に好きではないと見た…とか、出来るだけ安心する解釈をしてみたり。そして2秒後ネガティブ妄想の反動をモロにくらってみたり。
オヤジなんて、娘にいくら愛情を注いでもどこぞの馬の骨に持ってかれるのさ。とにかくこんなヘヴィな事実、シラフでいられるかっつーの!
R大好き オヤジの恋は 恋は恋でも 酒持ってこい!
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04月06日(水)
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