ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■恋する日曜日
娘・R(7才)と息子・タク(5才)を連れて公園に遊ぶ。
タクはいつもタオルを手に持ち、口に当ててふんふんしているタオラーであるが、家を出る時に
「公園に友達がいるかもしれないからパパ持ってて!」
僕にタオルを投げつけた。恥ずかしいこと、という自覚はあるらしい。公園ではしばらく3人で遊んでいたが、男の子兄弟ふたりがやって来たのを見たRが、
「あ、りょーた君だ」
弟の方がRと同じクラスの子であるという。そして
「ねー。マイちゃんも連れて来ようよ!」
と言う。マイちゃんはRと一番仲がいいクラスメイトである。そして近所に住んでおり、一緒に遊ぶことも多いのだが、
「どうして急に誘う気になったの?」
と聞いてみると
「マイちゃんはりょーた君のこと好きなんだよ!」
とニヤリと笑った。その笑顔はいままで見たこともない、恋バナ大好きなオンナの顔。パパちょっと複雑な気持ちである。マイちゃんに好かれているというりょーた君はどんなイケメンなんだろう…と思って観察してみたら…、なんかハリーポッターみたいだった。
ええええ、と動揺する僕にはおかまいなく、猛ダッシュでマイちゃん家にダッシュするRとタク。
「あーそーぼ」
とかやっているうちに僕は家に戻って麦茶を補充。嫁に「いや実はこういうわけで…」と話すと、りょーた君はスポーツ万能、頭も良いとても優秀な子なんだと聞かされた。なるほど見た目のび太で中身出来杉君なのだな。ルックスより中身。マイちゃんは男を見る目があるなあ。
一方Rに
「Rはりょーた君のこと好きじゃないのかい?」
と聞いてみたら
「あーいう子はちょっと苦手」
Rの方がダメな男に引っ掛かりそうな匂いがプンプンするぜえ。
マイちゃんは程なくして出て来た。そしてRと一緒に公園にダッシュ。早速りょーた君と一緒に遊ぶのかな…と思って見ていたが、木の裏や遊具の陰に隠れて遠巻きに眺めているではないか。なんて不器用な娘達。
「あーそーぼ、って言えばいいじゃん」
と野次馬根性で背中を押してみても
「えーでも…だって…」
恋する乙女のマイちゃん。そのモジモジしたまましばらくストーキングみたいなことをしていたら
「バレバレだし!」
遂にりょーた君に言われてしまっていた。それでもマイちゃんはつかず離れずりょーた君を意識しながらチラチラ眺めて遊んでいた。
初恋はしつこいようである。
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03月14日(月)
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