ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■ちょい÷オヤジ
娘・R(7才)とお風呂に入っている僕。

息子・タク(5才)はとっとと「出る」と言って出てしまったが、Rはおもちゃでお料理ごっこをチマチマと遊んでいたりするので長風呂である。

「ねえパパわりざんおしえて」

「割り算?」

「うん」

僕はたまにお風呂の中で、曇りガラスを黒板代わりに足し算とか引き算とかを教えているので、その割り算バージョンをやって欲しいらしい。

Rは算数が苦手で、通信簿に「もっと頑張りましょう」的なことを書かれている。1年生1学期の通信簿って、よっぽどなことがない限りは無難なことしか書かれないのに、これって結構ヤバげなのでは…と嫁と冷や汗が出たものである。Rも自分で

「Rちゃんさんすうにがてなの」

と言っており自覚があるようだが嫌いなわけではない。教えて欲しいと言ってくるあたり、努力する気持ちはあるようだ。その心意気や良し。

「じゃあ教えるよー。まず問題。4÷2は?」

「えーと…」

いきなり地蔵のように固まるR。それならばといつもお風呂で遊んでいるスーパーボールを4個手に取って

「スーパーボールは4つあるよねー。ふたつでひとつのグループにすると、いくつグループが出来る?」

「みっつ?」

かなりヤバげだ!さすが通信簿でディスられるだけのことはある。しかしのぼせる寸前まで根気よく教え込むことにより、ようやく8÷2とか9÷3とか、その程度の割り算は出来るようになった。Rも理解出来たことが嬉しかったようで、

「パパ、こんど割り算の問題を紙に書いてRちゃんにちょうだい!Rちゃん分かるようになったからもっと問題したい!」

更に勉強への意欲が出て来たようで、取り敢えずよかった…。

お風呂から上がってくるとタクは既にゴハンを食べていた。Rはタクに向かって

「Rちゃん割り算できるようになったのよ〜」

と自慢気に言い、

「10÷2はなーんだ?」

君には分からないでしょう?みたいなちょっと意地悪な感じでタクに問題を出した。しかしRが僕にこんこんと教えられてようやく解けた問題をタクは

「5」

あっさり即答。実は算数の理解度はタクの方がずっと進んでいるんである。知らぬはRばかりなりけり。調子に乗ったRが返り討ちにあった形となってしまった。

Rは豆鉄砲ピジョンのようなポカーン顔になりながら、したり顔のタクと、多分苦笑いになっている僕の顔を交互に見つめていた。

自分が時間をかけて解けた問題を、なんで弟はあっさりクリア出来るんだろう。そんなことを考えているような表情。すごいと思う気持ちと私が年上なのに悔しい…と結構複雑な胸の内が手に取るように分かる。

まさに割り切れない気持ちってか。

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02月08日(火)
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