ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■夢見るオヤジじゃいられない
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息子・タク(5才)が寝る前に行なう儀式がある。

窓辺に立ち、夜空を見上げて

「なんにもゆめみませんように」
「なんにもゆめみませんように」
「なんにもゆめみませんように」

と3度繰り返してお祈りする。怖い夢を見ないためのおまじないらしい。

「怖い夢見ませんように、ってお願いにしたら?」

楽しい夢も見られなくなってしまうではないか、とタクにアドバイスしたところ

「いいの。ゆめみなくていいの」

ガーン。なんという夢のない少年なのだ。夢は必ず叶う、とか、ドリームスカムトゥルー、とか、JPOPばりの根拠がないくせに無駄にポジティブなことを言うつもりはないが、夢はたまに叶う。それでも夢を見なければたまに叶うこともなくなってしまうではないか。

叶う叶わないは別として夢を見るだけなら自由であり、そして途方もない夢を披露してもバカにされないのは今の内。少年の特権である。夢を見ない少年なんて、ドリカムじゃなくてただのドリチン(ドリルチンポ)ではないか。

いやな夢は見ない方がいいが、それだけのために全ての夢を拒絶しちゃうのってどうかなー、とか思ったのだが、翌朝起きたタクは

「ねえねえパパー。おもしろいゆめみたー」

と嬉しそうに語った。

「えっ。いい夢も悪い夢も見たくなかったんじゃないのか」

「えっとねー。ポケモンいっぱいつかまえるゆめー」

夢もゲットだぜ、みたいな。やっぱり楽しい夢は単純に歓迎らしい。なんか悩んで損した。やっぱり子供は夢見ることが必要だ。大いなる希望の力、キュアドリームなんである。

それに引き替え僕のようなオヤジはどうか。あるマンガの中で、ロック歌手が

「大人たちは夢みることを忘れた悲しい人種〜フラルラル♪」

と歌っているのを、主人公であるお父さんが

「なにが夢見ることを忘れた悲しい人種だっ。お前らみたいなクソガキ育てるので必死でそんなもんみてるヒマあるかっ」

と叫びながら殴りまくるシーンがあった。このマンガを初めて見た時はクソガキ側だったけれども、いつの間にかオヤジサイドにいるもんだからアタシャびっくらげーしょん。

とどのつまりは僕もタクにあやかり、体はオヤジでも心は夢溢れる少年でいきたいものである。少年よ大志を抱け。ボーイズビーアンビシャス。

そうそう、夢といえば来年は関西方面に旅行したい。

ようきたなーおいでやす。

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