ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■うん、ちが出たの
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今日の日記は、なんと、昨日の日記の続きである。

しかも百円ショップで買い物中、息子・タク(5才)が

「うんち…」

大自然に呼ばれてしまった状態からの続き。お食事中の方や尾篭ネタが苦手な方はご遠慮下さい。

「うんち…でる…」

いつもおちゃらけているタクが真剣な顔で訴える。うんち、でる。

イッヒ・フンバルト・デル・ウンチ(ドイツ風)
1919.dell(イクイクドットデル:池袋北口風俗店風)
ウンチがブリュッセル(ベルギー風)

その意味を多方面から解釈し、僕は判断した。

「ちょっと待ってろ。まだ大丈夫だよな?」

「うん」

まず僕は素早く会計を済ます。それぐらいの余裕はあると見た。経験上、タクはわりと余裕を持って「出る」と宣言するのでしばらくは我慢出来る。

そしてここは勝手知ったる超地元。見ず知らずの街とは違い、どこのトイレが一番近いか瞬時に判断することができる。いわば地に足が着いているので何も慌てることはないのだ。

この百円ショップにはトイレがない…。そしてこの店から一番近いトイレは道沿いにあるコンビニだろう。しかし緊急事態でありがちなのが、トイレに辿り着いたはいいが使用中でギャースという罠。

最後の力を振り絞り、文字通り力を込めてアナルも絞り、ようやく辿り着いたトイレが使用中だった時の絶望感といったらない。すぐ後ろにナタを振り上げたジェイソンがいました、みたいな死を覚悟した心境に似ている。

そこでコンビニよりは30歩ほど離れているが、かつて僕が毎晩入り浸っていたゲーセン。あそこのトイレなら個室がふたつあり使用中であるリスクは半減する。万が一使用中だったら女性トイレに入らせてしまえ、という手段もある。

すなわちゲーセンに行くのだー!急げー!とRとタクでダッシュしたところ(日曜日親子で江古田駅前をダッシュしていた親子をみかけたらそれは僕らです)、途中のドラッグストアでRが立ち止まった。

「ここにトイレあるよ」

「なに、ほんとか」

むう、娘の方が江古田トイレ事情に詳しいとは…と脱帽しながらドラッグストア入店。店内を一回りする…って、

「トイレないじゃん!」

「あはは、まちがえちゃった!」

くそう、7才児の情報をまともに信じた僕がバカだった。地に足どことか浮き足立ってしまった。

「タク、まだ大丈夫か!」

「うん!」

タクの顔が今まで見たことがないくらいシリアスで強ばっている。脂汗だらだらのゴルゴ13みたいな。限界が近いのだろう。しかし見よ。ゲーセンはもうすぐである。

「間に合ったー」

幸いゲーセンのトイレは無人で、すみやかにタクのパンツを降ろして便座に座らせることが出来た。

「パパ〜」

「なんだタク」

「うんちよりおしっこが先に出そうなんだけど」

「どっちでもええがな」

タクがふんばっている間、

「げーむ見てていい?」

Rは格ゲーのモニタをじーっと眺めて観戦しており、そのうちタクもふんばり完了。

「よし出たな。ちゃんとお尻拭け」

こうして無事ブリュッセルすることが出来た。もしこれが間に合わなくて、走っている途中でタイムアウトな羽目になったら、駅前の地元の皆さんに見られまくってしまったであろう。

それ以降何かにつけて

「あれがうんこ漏らし親子だ」

と言われることになり、「うんこ漏らし後ろ指差され隊」として生きなければならなかっただろう。

そんな平成クソモラシーはいやだああああ…。

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10月27日(水)
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