ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■多汗なお年頃
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朝起きると娘・R(7才)の鼻の頭があせもでいっぱいだった。

「うわー。かわいそうに。痛いかい?」

「うん。ちょっと」

赤いポツポツが痛々しい。赤鼻のトナカイ、もしくはコピーロボット(パーマン)みたいだ。昨日の夜は全くなかったのでたった一晩で出来てしまったということになる。

息子・タク(4才)も芋掘り大会だかなんだかでクソ暑い中帽子をかぶっていたら、おでこの生え際あたりにもうあせもが出来ていた。子供ってすぐあせもが出来てしまうので驚く。Rの場合は寝ている間にすごい汗をかいていた、ということになる。

「あなたがくっついていたから暑くて汗ダクになっちゃったのよ」

と嫁が言う。

「なに?僕が?オイオイオイ、冗談はよしお小島だぜ」

僕とRがいつもくっついて寝ているのは認めるが、くっついてくるのはいつもRである。僕が寝床に入るとRは寝ながらでも僕の気配を感じ取るのか、腕にくるくると巻き付いてきたりそっと手を当てるとぎゅっと握り返して離さなかったりする。

この季節暑くてしょうがないけれども娘と一緒に寝る、しかもくっついてくる、なんていうのは後ほんの数年間だけの父親特権なのでRの寝相のままにしているのだ。

それを何だ、逆に僕がRにくっつくとは…と猛烈に反論したのだが

「あなた、寝てる時『Rちゃーん』とか言ってRに抱きついてるよ…」

嫁はフンと一笑した。ガーン。なんということだ。

「だって娘がくっついてくるんだもん。甘えん坊だなあ。しょうがねえなあ」

という仕方がないフリをしているスタンスだったのに真実は逆だったとは!僕の方が甘えん坊だったなんて。僕は肉布団がないと寝られないタイプだったのだなあ。

「多分僕は無意識に人肌を求めているのであって、それを解決するには毎晩お前がやらせてくれればいい話で…」

どうせ布団で汗をかくならみだらな汗をかきたい。

「ふん」

しかし嫁は全然聞いちゃいなかった。

娘に鼻に汗をかかれ、
嫁に鼻で笑われた、というお話でしたとさ。

僕は汗をかかずに鼻頭をポリポリ掻くしかないのであった。

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09月04日(土)
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