ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■黒髪が好きさ
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「パパー、とこやさん連れてってー」

と、娘・R(7才)におねだりされた。Rはこの暑さのせいで頭にあせもが出来てしまい、痛そうでかゆそうで可哀想。髪を切って涼しい髪型にしてやりたかった。しかし七五三の撮影が終わるまでは切るわけにはいかなかったのだ。

で、昨日撮影が終わったので早速切りたい、ということなのであった。

「よしよし、じゃあパパと一緒に行こうねえ」

我が街は理由は知らないが異常なほど美容院がある。その数をチェックするサイトがあるほどだ。しかしうちは貧しいので、僕が連れて行くのはその中のどの美容院でもなく千円床屋である。

Rとお手々繋いで床屋に向かう。朝イチなので待つことなく席に案内される。

「どのようにいたしますか?」

という理容師さんの問いかけに答えようとしたら

「まえがみはまゆげにかかるようにしてください。うしろは短くしてください。でも結べるぐらいにしてください」

なんとRがすらすら自分で説明するではないか。ああ…昔は座っただけで泣きじゃくっていたのに、なんと立派になったものよ…思わず僕が泣きじゃくりになるところであった。健気なRの散髪姿を眺めていよう…と見ていたら

「あ、お父さんは向こう(待ってる人用の席)で座っててだいじょぶですから」

遠回しに「そこにいると邪魔」ということなのだろう、理容師に言われてしまった。そりゃ自分の後ろでじいっと見られてたらゴルゴ13じゃなくても撃ち殺したくなる気分にもなるよなあ。

仕方ないので待ちスペースにドラゴンボール全巻が置いてあったのでそれを読むことにする。本棚から引っ張り出す時につい

「手っにっ入れろォ♪二世帯住宅♪」

ドラゴンボールのテーマソング、しかも鳥居みゆきのネタである替え歌バージョンを口走ってしまった為、隣の人がぎょっとこちらを睨む。しまった。超恥ずかしい。R、早く終わってくれ…と念じながら読んでいると

「終わりましたよ〜お父さん」

15分ほどでフィニッシュの声が掛かったので見てみると

「あらかわいい〜」

短かすぎず長すぎず、ちょうどよい感じになっていたので

「Rもこれでいいかい?」

「うん」

本人もニッコリしていたのでこれで良しとした。以前やってもらった時は短かすぎて「ちびまる子」もしくは「疎開してきた女の子」になってたもんなあ…あの時はどうしようかと途方に暮れたもんである。それに比べれば全然カワイイヘアスタイル。

「泣かないし、自分で髪型の注文も言えるし、成長したね」

とか褒めながら家に帰った。でも僕は褒めていたのだけれども家に着くと嫁が

「おもちゃ片付けなさい」

床屋に行くまで遊んでいてぶっちらかしたおもちゃを片付けろと嫁がプリプリしていた。

髪型がすっきりしただけに、おヘアもキレイにしなさいってか。

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08月24日(火)
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