ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■ひとりで泊まれるもん!
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日曜日の午後、栃木の実家から東京に帰る。

しかしひとりだけ帰らない者がいた。娘・R(7才)である。Rだけ引き続き実家に泊まり、母や親戚のおばさんと遊ぶことになっているのだ!

僕が決めたのではない。僕らがとっとと帰ってしまうのを寂しがる母が、Rだけでも残ってお泊まりチャレンジしてみれば、と提案したらRもその気になってしまった。

「おばあちゃんと遊ぼうね〜。大宮のおばちゃんのとこにも連れてってあげるからね〜」

当然母は大喜び。Rもひとりで泊まれるモン、ということが誇らしいようで得意顔である。ちなみに息子・タク(4才)にも泊まってみるかいと聞いてみたが、

「やだ!」

まだ嫁や僕と離れるのはダメなようである。

「ああ…しばらくRと会えないのか…」

僕は本当は一緒に帰りたい。朝、僕の腕を揉みまくるRを眺めながら恨めしそうに呟いた。Rは

「もにもにー」

と言いながら僕の腕を揉むのが好きなんである。プニプニした感触が良いらしい。

「Rちゃん、パパと離れると『もにもに』出来なくなるよ?いいの?」

だから一緒に帰ろうぜーと言いたかったのだが

「いいよ。大丈夫。おばあちゃんに『もにもに』するから」

かなりあっさりした答えを返されてしまった。こうして親離れしていくのだなあ…。一方嫁はこうした会話を

「オヤジ不要。ザマア」

みたいなにやけ顔で聞いていたのだが、

「おばあちゃんなら全身いろんなとこ『もにもに』出来そうだもんね〜」

と口を挟んだ。それはすなわちデブだからつまめる肉が全身にあるということであり、

「ってママが言ってたよっておばあちゃんに言いなさい、R」

としたところ

「ぎゃああ!言わないでええ!」

嫁の顔が一瞬にして青くなった。ザマア。

「パパちょっと寂しいかなー」

本当はこんな子供の足を引っ張るようなことを言ってはいけないのだろうが、ついポロッと口から出てしまった。するとRはもにもにしていた腕に唇を寄せて

「ぶじゅー」

っと濃厚なちゅーをしてキスマークを付けてくれた。うん、パパ頑張る。

そして夕方、見送りサイドの母とRに

「ばいばーい」

と手を振って駅から電車に乗ったのであった。

「さびしいねー」

とタクもポツリ。Rが帰って来るのは水曜日である。な、長いなあ…。

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08月17日(火)
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