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エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■麻紀じゃないカルーセル
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トイザらスで娘・R(6才)の誕生日プレゼントを買った後は、としまえんのプールで遊び、仮面ライダーダブルショーを見る、という予定だった。

R
Rは森ガールみたいな格好をしていたが(「森ガール」って昨日まで「森三中にいそうなブサイク」の意味だと思っていた)、

タク
タクはこの通り家を出た時から万全の水着体制であった。にもかかわらず

「もうすぐプールだぞー」

まさにプールの入口に差し掛かろうとした時に

「やっぱプールやらない〜。メリーゴーランドがいい〜」

タクの必殺技・気まぐれオレンジロードが発動された。

「なんだとー!」

そのために準備をした嫁も重い荷物を抱えた僕もひっくり返りそうになった。しかしタクの気まぐれを聞いたRも

「Rちゃんも…プールじゃなくてミラーハウスとかがいい…」

ポツリと言い出す始末。

「うーん。疲れてるのかね?」

「そうかも…」

嫁によると昨日も全力で遊び相当疲れていたという。明日も嫁実家に行くし、今日は体力温存した方がよかろうということでプールはやめることにした。

ミニ機関車・ミラーハウス・メリーゴーランド…遊園地では定番のアトラクションをハシゴする。中でも「カルーセルエルドラド」という名前が付けられたメリーゴーランドは明治時代ドイツで造られ、長い歴史がある遊戯施設として有名である。

ちょうどこの日、世界遺産ならぬ「機械遺産」の登録を受けたとかで、フジテレビの取材が来ていて、テレビカメラが回っていた。

「あら、ワタシも映っちゃうのかしら」

と嫁。タオル首に巻いてるオバサンなんか、映っても全カットされるだろうよ…とかやっているうちに、仮面ライダーショー開園1時間前になった。結構すごい数の客が来るのがいつものパターンなので

「パパが場所取っといてやるぞー。君達はまだ遊んでいなさい」

僕は単独で場所取りすることを提案し、場所取り開始してから5分で後悔した。炎天下の中ひたすら座って場所取り。暑くて汗がダラダラ。やっぱプール入りたかったなあ…と思いつつ1時間、ようやく開始時間が近づき、嫁子供達も合流した。

Rとタク
ショーの間の子供達は真剣そのものであるが、親としてはマニアでない限り正直退屈である。しかし今回はどうしても目が離せないことが起こった。

こういう特撮ヒーローもののショーにありがちなのが、悪役が仕切って観客の子供をいじくるコーナー。おそらくシナリオの間が持たないとか、戦闘ばっかだと中の人が疲れまくってしまうという事情があるのだろう。

この日も悪の幹部っぽいのがメイン司会で、ショッカーみたいなザコ戦闘員ふたりがサブみたいな感じで取り仕切り、客席の中から子供ふたりをステージに上がらせ、自己紹介やクイズをさせたいた。

ちょうど隣に座っていた家族の子供が選ばれたのだが、終わってステージから下がった時にザコ戦闘員が親にお礼を言っていた。その声が聞こえたんである。

「ありがとうございますぅ」

キャピキャピした女の子の声だったー!

どうりでさっきからお尻が色っぽいなあ…って思ってたんだよなあ…。この時以降、僕はザコ戦闘員のケツから目が離せなくなってしまった。顔も格好も醜い悪役なのに、その中の体は熟し切ってるぜ、それを知ってるのは僕だけ、みたいな設定に勝手にハアハアしてしまった。

Rとタクも勿論純粋な意味で大満足だったようで

「とおっ。うりゃっ」

タクなどは僕に戦いを挑んでくる。なので僕も受けて立ったら

「パパ、くさお!」


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08月09日(月)
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