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エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■トイザらス、問い質す
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娘・R(6才)の誕生日プレゼントを買いに、としまえんの脇にあるトイザらスに行く。

「もう決まったのかい?」

何をプレゼントしてもらいたいかまだ決まっていなかったRは、昨日新聞に入っていたトイザらスのチラシを見て候補をふたつまで絞っていた。

「ねえパパ、プリキュアのおもちゃはどこ!」

おもちゃを目の前にして興奮を隠せないRは僕の手を引っ張りお目当てのおもちゃを目指す。Rが選んだのはプリキュアの化粧ボックスみたいなのと、もうひとつは→のサイトにあるようなアクアビーズアート水でくっつくビーズで動物や好きなモノの作品が作れるというおもちゃであった。

ビーズの方は細かくて大変そうである。要はドット絵作りとか砂曼荼羅とかと同じ手間であろう。僕はこういうチマチマしたものを並べて作っても、根気が足りないので、ちょっとでも並べミスをしただけでぶち切れて全てを破壊してしまいそう。ドミノを途中で倒しまくるタイプである。

僕の血を濃く引くRも多分ダメだろうと思い

「プリキュアにしたら〜?」

「え〜どーしよっかなー」

それとなく誘導するんだけれども、まだ決断に時間がかかりそうであった。

「ねえパパちょっと来て〜」

そこでシャツの裾を引っ張るのは息子・タク(4才)である。タクは

「今日はRちゃんの誕生日プレゼントを買うんだからね!」

あらかじめそう強く念押しされていたのだけれども、やはり目の前におもちゃがあると目移りしてしまうことはどうしようもない。僕はタクが大好きなゴセイジャーのおもちゃがあるコーナーに連れて行かされ、

「たっくん、カードが欲しいナ〜」

ゴセイジャーのカードが欲しいんだということを何十回も聞かされた。今日はRの誕生日だからRのプレゼントしか買わない!甘やかさない!絶対タクには買わない!と固く誓っていた僕であったが、タクの呟きをブツブツと聞かされるうちに

「カード1枚買ってやるぐらいならいいか…どうせ100円ぐらいだし」

と思うようになってしまい

「じゃあ1枚なら買ってやるよ」

遂に許可を与えてしまった。恐ろしい。我が子に洗脳されるとは。タクの顔はそりゃもう見事なくらいにパアアアと輝き

「じゃあダイスオーやりたい!」

「ダイスオー?」

聞くところによると、ゴレンジャーを起源とした現在のゴセイジャーまでの戦隊モノが全部登場するゲーム機なんだそうだ。お金を入れてゲームをするとカードが出てくる…。ゲーセンとかおもちゃ屋で子供が群がっているアレね…とようやく理解した。ただこの店内にあったかどうか。

「でもここにはないかもよ…」

店内をくまなく探してみても

「たっくん、やっぱりないよ」

「あるの!ダイスオー!あるの!」

いくら僕がないと言っても信じようとしないので

「じゃあそこのお店のお姉さんに聞いてこい!」

とふったところ

「あのォーダイスオーありますかァ?」

何カワイコぶりっ子してんだお前は、と突っ込みたくなるぐらいモジモジしながら聞く坊主頭。

「ごめんなさい、ないんですよ〜」

やはりないという返事にタクは

「ぶわあああああ!」

「泣くこたぁないだろ…」

「ダイスオー!ダイスオー!」

「うるさい!ダイソー連れてくぞ!泣く子は100円で売られてゆくよ!」

「やだー!」

「じゃあ泣き止め!」

そんなことをしているうちにようやくRのおもちゃが決まった。

レターパッド
どーん。タイプライターのおもちゃのようなもの。今まで全然欲しいもの候補にはなかったが、現物を見て欲しくなったのだそうだ。Rは手紙が大好きなのだ。

「なかなかいいのを選んだね」


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08月08日(日)
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