ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■死
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祖母が亡くなった。
認知症が進み、栃木の特別養護老人ホームに入っていて、静かに老衰。そろそろかも…ということは聞いており、95才という年齢もあって
「やれることはやった。悔いはないよ」
母も親戚一同もあまりジメジメした雰囲気はなく。僕ら家族も「もう最後かも」と思い帰郷するたびにホームに行き顔を出していた。僕の顔を見ても孫だと分からず、それでもニコニコとして娘・R(6才)と息子・タク(4才)を
「かわいいね、かわいいね」
と言いながらいつも大好きな煎餅を一緒に食べた。最後に会いに行った三月のお彼岸の時はもう声も出ず、ただ穏やかな顔であったが、翌日母とRだけが行ったところ、Rの顔を見て
「かわいいね」
口だけは確かにそう動いたという。
「ひいおばあちゃんね、死んじゃったんだよ…」
Rとタクにそう伝えると、
「これ、ひいおばあちゃんのお顔描いたの」
折り紙にニッコリ笑った祖母の顔を描いてくれた。
「これ、お棺に入れようね。天国に持ってってもらおう」
お棺の中の祖母は病気で苦しんで…というわけではないのでとても綺麗な顔だった。大好きだった煎餅もたくさん入れられていた。そこに似顔絵もそっと入れる。
葬儀場から火葬場へ。そしてお骨を壷に入れる。2時間ほど待つ。斎場ではRもタクもよい子であった。
ちゃっかり叔父さんにお菓子を買ってもらったり、火葬場でのお清めのカツオ節を
「うめえ!」
と言いながらタクがぱくついていたりしたが。お前はネコか。お棺の中で、煎餅と花と似顔絵に囲まれて眠る祖母をまじまじと見詰めていた子供達は死をどう受け止めたのであろうか。Rは
「パパ、天国ってどこにあるの?」
と僕に聞いた。
「お空の上だよ」
「お空の上って宇宙じゃん!」
ううう、だんだんファンタジーが通じなくなってきた。そしてタクは
「おばあちゃんはお煎餅の食べ過ぎで死んじゃったんだね!」
「違うよ!」
そりゃ会いに行った時は必ず食べていたが…。それを聞いたRが
「ちがうよ。ろーすで死んじゃったんだよ」
と訂正したが惜しい。トンカツかよ。
子供達よ。僕が死んだら骨拾ってくれ。
僕は初孫だったので祖母には小さい頃とても可愛がってもらった。
おばあちゃん、ありがとう。
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04月21日(水)
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