ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■ナイーブなイブ
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24日の朝。

「きょうサンタさんが来るんだよね〜」

「たのしみ〜」

サンタが来てプレゼントをくれる日を指折り数えていた娘・R(6才)と息子・タク(4才)のテンションは最高潮に達していた。Rなどはサンタへの手紙まで用意した。どんな文かというと

「さんたさんへ

 Rちゃんだけど Rちゃんわ あかりがつくおうちがあるけど
 それがRちゃんがほしいんだけど さんたくれる?

 Rより」

…けど、けどばっかな文体。「あかりがつくおうち」とはシルバニアファミリーのお家セットで、照明が点くヤツを欲しがっているのである。

「どうして最後はサンタ呼び捨てなんだよ」

わはははは、と、からかったら

「だって、『さん』って書くともう紙からはみだしそうだったんだもん。サンタさんやさしいから『さん』つけなくてもいいかなーって思ったんだもん…」

必死に弁解してマジ泣きしそうになってしまったので

「そ、そうだね。色々考えたんだね…サンタさん優しいから大丈夫だよ…」

と慰める羽目になってしまった。するとRは

「パパにもプレゼントあげるね。Rちゃんパパだいすきだから」

なんとも嬉しいことを言ってくれるではないか。

「うわー。楽しみだなー。何くれるの?」

「これから作るよ」

Rは早速紙とか鉛筆とかを持ち出してゴソゴソやり始めた。僕が覗こうとすると

「みちゃだめ!」

はいはい。どうやら明日のお楽しみのようだ。そしてタクは

「たっくんもパパに手裏剣あげる〜」

自慢の折り紙手裏剣コレクションの中から選りすぐったものを僕にくれた。

「ありがとう。たっくんも優しいね」

あー。なんかみんな浮かれまくっていていいなあ。これもクリスマスマジックなのね!子供達にサンタを信じていて貰いたいのはなんでだろう、とこの時期ずっと思っていたのだが、単に親が「ほいよ」と買い与えるよりも、サンタを信じている子供達が目を輝かせて語ったり描いたりするファンタジーを垣間見ることが楽しいからなのだ、と思う。

夜も子供達の浮かれる姿を見てやろうと早く帰ってみたら、

「寝たら来てくれるんだよね。たのしみ〜」

本当に楽しそうな笑みを浮かべて寝床に滑り込み、あっという間にガーガー寝てしまった。そして嫁とそーっとプレゼントを枕元に置く。トイザらスのネットで頼んだRへのプレゼントは予想以上にでかかった。

「これ、でか過ぎなのよ!シルバニアファミリーのお家セットでしょう?広げたらもっとでかいよ?大きな家ならともかくウチみたいな狭さじゃ…」

「あー…なんかごめん…でもRがコレが欲しいって…」

なんだか貧乏長屋への不満や僕の甲斐性が無い方面に怒りが向かってきたようで、雲行きが一気に悪くなった。ついさっきまでクリスマスマジックの浮かれポンチハッピー気分だったのに。とっとと寝ることにしよう。

嫁は夜更け過ぎに、鬼へと変わるだろう。んんん。
バイオレンスナイト。ホラーナイト。
(何度か使い古したオチ)

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