ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■魔球は魔球は手ー裏ー剣
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今、手裏剣がナウなヤングにバカウケ。

とは言っても我が家のヤングというかチルドレン限定なのだけれども、娘・R(6才)と息子・タク(4才)がやたらと折り紙で手裏剣を作るようになった。

作ると言っても最後まで出来ないので

「パパやってー」

結局僕が何個も作らされる羽目になった。あまりにもしょっちゅう作らされるので

「なんだよう。君達忍者にでもなるつもりかよう」

と悲鳴を上げた。確かに僕も子供の頃たくさん作ったけどさ…。タクなどは特に気合いが入っており、手裏剣を輪ゴムで束ねていつも持ち歩いていた。

「みてみてー。しゅりけん、13個になったよー」

うん、パパいっぱい作らされたからね…。しかしようやくこれだけの数になったところでタクは満足したようであり、僕はやっと手裏剣作りから開放された。

ところが…。

数日後、またタクが「しゅりけんつくってー」と言うではないか。

「あんなにいっぱいあったのに、どうしたんだ」

と聞いてみると、

「幼稚園でなくなっちゃったの」

なんと幼稚園にまで持って行って遊んでいたのだそうだ。

「お前、幼稚園に持ってかせてたのか?」

オモチャを持って行くようなものではないか…と嫁を睨んだところ、折り紙の手裏剣だけはその限りではないという。何故ならば

「園長先生がよく子供達に配ってるのよ」

「なにー!園長はくノ一か!」

あんたも忍者。わたしも忍者。目潰し撒いて、ドロンドロン。園長自ら子供達に手裏剣を配っているので、持って行ってもお咎めはないのだそうだ。

タクのことだから、みんなに「13個もあるんだよー」とか言って見せびらかしていたのだろう。そして羨ましく思った誰かが隙を突いてスッと持って行ってしまったに違いない。

「誰かに取られちゃうからもう幼稚園に持ってくのはよしな」

とタクに言って聞かせた。

「うん。わかった。だからしゅりけん作って」

何が「だから」でホントに分かってるのか分かったものではないが、また僕は手裏剣を作らされる羽目になった。

で、数日後。なくした手裏剣が幼稚園で見付かったのだという。コッソリ持って行った誰かがもう飽きたのか、良心が咎めたのかは定かでない。幼稚園のある場所にぽつんと置かれていたのだそうだ。

それを取り戻したタクは得意満面。

「しゅりけん、25個になったよー」

「ははは、よかったね…」

重ね重ね言うが、パパ、いっぱい作ったからね…。

「でももっと作って」

「えー!」

「Rちゃんのも作って」

「えー!」

Rも加わり、ふたりで争って僕に作らせようとする。そんなこれ以上何十個もあってどうするんだよう。うちは忍者屋敷じゃねーぞ!

「はいはい、パパはひとつずつしか作れません」

手裏剣の前に整理券が必要です。なんつってな。

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11月14日(土)
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