ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■約1回目のプロポーズ
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「パパ、大きくなったら何になりたい?」
と息子・タク(3才)が言った。
いや、もう大きくなっちゃったんだけど…。これから大きくなるなんてチンコぐらいしかないんだけど…。今からプロ野球選手とか大金持ちになるとかもう無理だと思うんだよねえ…。可能性だけは無限にあるタクや娘・R(6才)と違ってもう伸びシロはないから…。
そんなことを考えていたのでなかなか答えられないでいたら
「ママは大きくなったら何になりたい?」
嫁に話題を振りおった。
「お姫様」
嫁は臆面もなくそう答えた。「来世は何になりたい?」の間違えではないかと思ったが家庭平和のため敢えて突っ込むのは止めておく。ただ子供に対しては夢のある良い答えだな、と感心していたら、僕の膝の上に乗っていたRが突然叫んだ。
「Rちゃんはね、大きくなったらパパと結婚するの。パパもそうでしょう?」
おおお…そうだった。将来の夢。Rと結婚したい。いつまでも仲睦まじい親子でいたい。その夢があったではないか。
「うん…そうだな。パパは大きくなったらRちゃんと結婚するんだーわはははは」
プロポーズされて顔が緩みっぱなしになってしまったが、ここで黙っていないのがタクであった。
「え、たっくんもRちゃんと結婚したいよ」
うお、父と息子で長女の取り合いになってしまった。
「えーでもRちゃんはパパがいい」
しかしRの決意は変わらない。うえへへ、モテる男は辛いぜ。でもタクには好きな子がいるはずである。しかも男の子。
タクと同じクラスにシュンタ君という男の子がいる。小さくて丸っこくてぬいぐるみのように可愛い。タクはこの子が大好きで、しょっちゅうベタベタまとわりつき、
「シュンタ君、プニプニだね」
「たっくん、シュンタ君が大好き」
等、幼児でもそれはちょっとキモイだろう…と思えるほど激ラブなんである。つい最近まで
「たっくん、シュンタ君と結婚する〜」
と言っていたのにもう心変わりしたのだろうか。
「男の子同士は結婚できないよ〜」
と言っても
「でもいいの!」
と反論し、我が家の男系はタクで途絶えるのか…とか思ったものである。なので
「たっくんはシュンタ君と結婚したいんじゃなかったのか?」
と聞いてみると
「だってシュンタ君は男の子だもん」
愛さえあれば性別なんて、というスタンスだったくせに、どうやら世間一般的なモノサシになってしまったようだ。そこでRが
「たっくんはママと結婚すればいいじゃん」
と革命的アイディアを示したところ
「じゃあママでいいや」
タクはあっさり納得してしまった。Rの見事な大岡裁きであることよ…と思ったら嫁が
「ママ”で”いいや…ママ”で”いいや…」
暗ぁい顔してエンドレスリピートでブツブツ呟いていたので全然大岡裁きじゃなかった。子供達のプロポーズが発端で何やら我が家の雰囲気が怪しい雲行きに…。僕は浮かれていたが嫁の心は晴れないようだ。お願いだから血の雨が降りませんように。我が家の天気はいつも「晴れ」であって欲しい。
プロプロポーズプロポーズ。
あーした天気にしておくれ。
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08月15日(土)
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