ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■娘がいない夜
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なんと、今日は娘・R(5才)の幼稚園の「お泊まり保育」なんだそうだ。

「えー。じゃあ今晩Rちゃんいないのおおおお?」

「うん、おとまりするの」

バカヤロー!こちとら疲れて仕事から帰って来て、Rと一緒に寝るのが何よりの癒しなんだよ!僕の腕にRが寄り添ってきて

「暑い。でも嬉しい」

辛い、でもうまい、という蒙古タンメン中本のキャッチコピーみたいな幸せを感じてるんだよ!大体親父が娘と一緒に寝られる期間は限られているのである。それを幼稚園が勝手に奪うとはどういうこった。

それに若い男女を一緒に泊まらせるとろくなことがない。僕は修学旅行で小学校の時も中学校の時も女子部屋に忍び込んだり覗きを試みたり可能な限り女子に近付こうとしたものである。

「Rちゃんがいないと寂しいな…」

当日の朝、Rを抱きながら寂しがっていると

「じゃあたっくんが一緒に寝てあげる」

息子・タク(3才)が寄り添ってきてくれた。

「ありがとう、タク」

僕が帰る頃にはとっくに寝ているはずだが気持ちは嬉しい。

「タクもお泊まりしたいかい?」

「やだ」

タクはまだ「親がいないよその場所で寝る」ということはこの上なく怖いらしい。

そんな話をしながら仕事に出掛け、帰って来たらRのいない寝床があった。タクは案の定寝ていたが、いつも寝ているはずのRがいない空間は、果てしなく空虚だった。夏なのに、寒々しい。

「嫁にやった後って、こんな感じなのかね…」

なんだか急に老け込んでしまったことよ。ただ嫁は

「いないっていってもすぐ近くの幼稚園で泊まってるんだから別に寂しいとかってないなあ」

とあまり男親の気持ちが分かっていない様子。

「Rちゃん、ちゃんと寝られてるかな…」

このことも心配である。僕も小5の時に初めて学校行事でみんなと泊まったが、当時は枕が変わると寝られない性格で、夜全然眠れず初めて徹夜を経験し、鼻血が出てしまったものである。そういうつまらないところは絶対遺伝しているのでRももしや寝られないかもしれぬ。

「でもRに限らずみんな興奮して眠れないみたいよ。次の日迎えに行くとみんな朦朧としてるんだって」

と嫁。毎年そんなんでもお泊まり保育を行なう目的って何だろう。初めて親元を離れて泊まる体験のため?親離れの一環として?逆に親の子供離れのワンステップ?

ああああまだRと離れたくないいいいいい。

嫁はこんなことも言った。

「あなた、もうちょっと早く帰ってきてくれればよかったのに」

「なんでよ」

「子供達が泊まりでいないから、ママさんみんなで酒盛りしてるのよ!私はタクがいるから参加できなかった」

うわー。おばさ…いや、ママさん達の酒盛りってバカ大学生のそれよりうるさそうだ。

「今から行ってくりゃいいじゃん。まだやってるだろ」

「えー。もうみんな出来上がってるよ。酔っぱらいの中に遅れて行きたくないわ」

僕も酒かっくらってそのまま寝床になだれ込みたい気持ちである。Rがいない布団の、なんとカッスカスなことよ。今夜はなかなか眠れそうにない。

娘は宿泊。僕は四苦八苦。なんつって。

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07月30日(木)
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