ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■親のナニ見て子は育つ。
朝、会社に行こうとしたのだけれども
嫁が僕の手を掴んで離してくれなかった。

しばらく無言で、じーっとしていた。

「遅れるから行くからな」

長い時間こうしているわけにもいかず、
嫁の手を無理やり剥がして家を出た。

駅まで走ったがいつも乗る電車には全然間に合わなかった。
おのれ…。
あの何か訴えたげな様子は何だったんだろう?

ギリギリで会社に着くと、嫁からメールが入った。

「今日、産婦人科の定期健診だから恐い…不安…」

めちゃくちゃドンヨリした文面…そうか。今日だったのか。

おなかの子供の定期健診は2週間ごとである。
1度流産を経験するとどうしても恐怖が拭えない。

前回の定期健診前日の晩も、嫁はどうしようもなく不安であった。
次の日に健診があることを知らなかった僕は、夜ずーっと嫁を放って置いて
ネットをやっていたので随分恨みを買ったもんだが。
あれは悪いことをした。

でも、何で直接「今日だ」とか「明日だ」とか言わないんだよ!
イライラしつつも一応励ましのメールを出した。
そうしないと嫁は泣きながら病院に行きそうな気がしたから。

昼間、メールが返ってきた。

「順調に成長してるみたい」

ハートマークが飛び交う、朝とはうって変わって
浮かれたメールだった。

今度の子供は、僕らが心配する必要もないほど
たくましいのかもしれない。

どんどん成長して欲しい。
いずれ、親などとっとと追い越して欲しい。
子供の生命力の強さが僕らを幸せにしてくれるのだ。

「今どれぐらいの大きさなのかね?」

あとで嫁に聞いてみた。

「15センチぐらいらしいよ」

うむ…。

早速、「父親の息子」を追い越したようである。
それはそれでちょっと悲しかったり。
02月27日(木)
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