ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
[5183665hit]
■ドキドキ送信、バクバク着信。
夜、嫁と池袋に買い物に行った。
帰り道、小腹が好いたので飲み屋に入った。
嫁は妊娠中だし、もともと飲まないので
「おなかの子がトマジューを欲している」
そう呻いてトマトジュースを頼んでいた。
僕らの子はドラキュラ伯爵
なんだろうか。
そんなこととは何の脈絡もなく、話題は
いつの間にか近所(だった)の美少女Rちゃんのことになった。
「アナタ、相変わらず電話つながらないの?」
「うん。必ず3コール目で『ただいま電話に出られません』だ。」
いつも同じ結果なので、しばらく電話もしていなかった。
どこで何をしてるんだか。
ひょっとしたらこの街のどこかで働いているのかもしれない…。
ふと、そう思って久しぶりに電話をしてみる気になった。が、
『ただいま電話に出られません』
結果は何度も聞いた、無情のアナウンスだった。
「僕の番号、絶対着信拒否になってるんだよ!
お前のケータイからかけてみろ!」
「アタシだってかけたよ!でも同じだったよ…」
「うーん。夫婦セットで拒否なのか…」
ギャアギャア話していたら、僕のケータイが鳴った。
ディスプレイを見たら
着信:Rちゃん。
うっそおおおおおお!!RちゃんだRちゃんだRちゃんだ!
慌てふためいて出る。
「もしもし」
電話の向こうから紛れもないRちゃんの声がした。
「ももももももしもし」
僕は血尿が出そうなぐらい興奮して返事をしたが、
Rちゃんは
「どなたですか?」
ズドーン。めちゃくちゃつれないお言葉。
「あの…僕。かじりん」
「あ!なんだ。そうか。かじりんか。ゴメンねー」
「はあ…」
「実は、間違ってケータイのメモリー全部消しちゃってね。
誰が誰だか分からなくなってたの。番号知りたくても
連絡もつけられないし、分からない番号からの着信は
あまり出たくないし…」
「なんだ…そうだったのか」
音信不通の理由はこれだったのか…。
「この、かじりんの番号登録しておくよ」
「ああああありがとう」
その後、近況などを少し話し合って、電話を切った。
よかった…。これで繋がった…。
ケータイを耳から離すと、
汗とヨダレで水損しそうなほど濡れていた。
はっ。
嫁がじーっとこちらを見ていた。
「アナタ、顔、真っ赤よ。よっぽど興奮してるのね…」
ぎく。
「何を言ってるんだ。これは、酒で酔ったのだ」
「絶対嘘」
嫁は僕を鋭くにらんだ。石になるかと思った。
そして嫁は視線を下に移した。
下腹部をナデナデして、おなかの子に語りかけた。
「パパはね、ママとお食事してるのに
他の女の子と電話でお話するんでちゅよー。
しかも、ものすごく嬉しそうにしてるんでちゅよー。
おかしいでちゅねー」
…。
だからその腹話術みたいなのやめれ…。
02月17日(月)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る