ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■町内ふしぎ発見!
そこでみんながお宮を作り、お玉稲荷として祀るようになったのだという。ちなみに医者は気が狂い、いつの間にか屋敷さえなくなってしまったのだという。
医者が二人の娘を殺した刀をゴマ畑に隠したので、この辺は「ゴマは作るもんじゃない」と言われているそうだ。
また別の話も伝わっていて、「お玉という女性が横恋慕した男にゴマ畑で殺されたので、白ゴマを絞ると赤い血潮となって流れた」というものもある。
(随想舎「民話の海へ とちぎの新しい民話集」、角川書店「日本の伝説44 栃木の伝説」より)
この本には、先程僕が探し当てようとしうろついていた遊郭があったころには、
「そこの女郎さんたちが大勢お参りに来たという。幸せ薄い女性として同じ運命をあわれに思ったからのことであろうか」
ともある。また、僕が見た時にはこの通り前の覆いがガタガタになって外れてしまっているけれども、昔は中を隠すようにきちんと閉じられており、
「お玉稲荷の中には、血染めの手拭いが入っている」
と言われて、当時の子供はとても中を覗こうとは思わなかったとか。僕は覗いてしまったがもちろんそんなものはなく。手を合わせてお玉稲荷を後にした。
そんなわけで観光スポットどころか廃墟&オカルトスポットになってしまったが、決して僕の地元が朽ち果てているわけではない。あくまで僕が廃墟に引き寄せられただけであり、実際は新しくて広い道路がドカーンと開通し、その道路沿いにでかい店がガンガンオープンしているんである…と一応フォロー。
実家に帰って来て
「お玉稲荷撮ってきたよ。ほら」
と母に画像を見せると
「やめなさい!消しなさい!それは神様とかそういうんじゃないから!消さないと絶対悪いことが起きる!」
とめちゃくちゃ言われてしまった。母はけっこうそういうのを信じる性質である。そして僕はそういう母を長年適度にスルーしていたのでそのままにしていたのだが、
「あ、なんだか肩凝った。その画像のせいだ」
とか
「あ、氷川きよしの番組、録画忘れた。その画像のせいだ」
とかいちいち因縁を付けてくるようになってしまった。
お化けよりも何よりも、この世で一番怖いのは生身の女である。
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04月01日(火)
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