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Niseko-Rossy Pi-Pikoe Review @ Tokyo
by Niseko-Rossy Pi-Pikoe
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■その2
<赤色エレジー>というヒット曲の呪縛というか、封印しておきたいとか、それは外側が作っていて本人はそう思ってないのかもしれないけど。<赤色エレジー>を最初に体験した時に、決して大正ロマンだとかレトロだとかという感覚でなくて、やっぱりあの時代のひとつの青春像としてヒットしたということがあった。80年代のバブリーな時代の中で封印されていたのはある意味では当然なのかな、と思いました。そして世紀を明けて聴くときに、意外とリアルタイムになっているというか。
「ぼく個人にとっても30年経ってしまうと、何か別物というか、そういう感覚もあるし。それと、このベスト盤を買って聴いて下さる方は、リアルタイムにヒットした時から聴いて下さっている方や、ほんとにこのベスト盤で初めてあがた森魚を知る十代の人たちもいると思うんです。その人たちにとっては、逆に新鮮だったりすると思うし。まあ、一言で言えないところまで、もう来てしまっていますね。あの<赤色エレジー>を歌ってしまったあがた、というところからは逃れられないとは思うんだけども。自分の中には<赤色エレジー>ありきを大いによしとする、これがあったから今日のあがたもここまでやってこれたというのもあるし、逆にこのことによって社会に出ていきなり矢面に立つものすごさ、良くも悪くもものすごさ、そこがトラウマになっている部分もあるし。今回のベスト盤に初回だけ、鈴木惣一郎さんと15曲を解説するというブックレットが入っているんだけど、これはすごい…」
すごく濃いテキストですね(笑)
「ええ(笑)あの中でも少し話しているけども。」
このベストの選曲については?
「気取って言うと、ベスト盤なんか死んでからでもいいじゃないか、とか(笑)あったんだけど。実際には、自薦アルバムにしたり、というテもあったと思うんだけど。もちろんいろいろな切り口で自薦アルバムをつくるというのは企画としてはあるかもしれないけど、いきなりベスト盤を自分で選んで、というのは何か違うなと、自己満足的過ぎるんじゃないかなと。それで、今回は惣一郎さんにお願いしました。選曲していくとどうしても15曲じゃ収まらなかったりしました。アルバムタイトルを『20世紀漂流記』として、あがたの彷徨ったところがなるべくまんべんなく聴ける選曲にしましょう、と言いつつこういう選曲になったんですが。これはこれで良かったと思うんです。あと何曲か入れば、あれも入れたいこれも入れたい、とか思ったりも。自分としてちょっと残念だったなと思うのはヴァージンVSが1曲入っているんだったら、雷蔵も1曲入れたかったとか。あと矢野誠さんのプロデュースのものも入れたかった。ああ、そういうこともライナーノートに書いておくべきだったなあ。」
じゃあ、このインタビューで(笑)
「ええ。書いておいてください(笑)アウトゼアの読者の方にはわかっていただきたい(笑)」
90年に、立川市民会館で、シバと友部正人とたまと。
「あの時は、雷蔵だったよね。」
そうですね。あの時は「終わってゆく20世紀」というテーマがあって、あがたさんはどのように思っているのかずっと気になっていました。あがたさんを、タンゴ、雷蔵、ピロスマニアとコンテンポラリーなアーティストとして観るのと別のところで。だから20世紀最後のプラネットアーベントでどんなMCをするのか、とても興味がありました。「(20世紀のおしまいに)着いてみると、こんなところでしたね…」とあがたさんはおっしゃった。それで…、ぼくもそうだな、というか…。それ以上あがたさんにおききしたいとは思っていないんだけど…。21世紀になってみて、今あがたさんはどう思われているのかな、とか。
「いい質問ですね(笑)」
いいのかどうか…(笑)
「21世紀になってからね、4ケ月しかたってないけど、毎日が密度が濃くって、嬉しい悲鳴なんだけど。ぼくの中からいろんなものが湧いて出てきて、早くそれを音楽にして一日も早くみなさんに聴いていただきたいというのが素朴な大前提としてあるし。」
稲垣足穂のCD文庫も3弾まで決まっているとか。
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03月24日(水)
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