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Niseko-Rossy Pi-Pikoe Review @ Tokyo
by Niseko-Rossy Pi-Pikoe
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■その2
「あれはあれで3ケ月ごとに出してゆきます。それで、このベスト盤を編んでくれた鈴木惣一郎さんとか、この1曲目をプロデュースしてくれた久保田真琴さんとか、雷蔵とか、まさに2001年を折り返し地点にしてまさに未来に向かっての次の展開を考えています。さりげないラブソングを中心にしたいと思ってますけど。これからぼくらはこういう方向に向かって、こういうふうにきっとやってゆきたいんだなあ、みたいなことを、今すごくぶつけたいというか聴いてほしいというか。年齢のことをいうとあれだけど、もう50を過ぎてしまったわけだから、たぶん自分が音楽に目覚めた思春期の頃とまったく一緒にいるわけにはもちろんいかないわけで、しかもいちばんぼくにとっては生涯にわたってつきまとう、何というか…、…、課題というか…。相対する、敵対するオブジェとも概念とも言えるんだけど、やっぱりテクノロジーの発達と自分との関係というのは、これは魔訶不思議なものがあるね。」

といいますと。

「割とプリミティブなことが基本的には大好きだし、で、まったく裏がえって稲垣足穂的、少年理科教室的な世界も大好きだし。だから、テクノロジーを愛しているようで拒んでいるし、拒んでいるけど概念的には大好きだし。今あるパソコンとかインターネットみたいなメディア、これはやっぱり愛しつつ拒み、拒みつつ愛している。素晴らしいメディアだと思うし、ただ、インターネットのみならず、もっと、たとえば原子力開発からクローンの問題に至るまで、それをよしとするのかしないのかということになると、おれは科学者でも政治家でもないから、やっぱり普通に日常を生きていて、それで歌うあがた森魚となった時に、その歌の行間から滲み出ることによってでしか答えられないんだよね。へんなこじつけに聞こえるかもしれないけど、1曲1曲ラブソング作ることによってでしか返事できないんだ。」

はい…。
「何か集会がある時に行ってシュプレヒコールするわけにもデモするわけにも…、まあ、たまに行くのもいいけど、そこでおれが何かやってもあまり意味がないし、違うわけだよ。たかだか「会いたい」とか「会いたくない」とか、「こういう君が好き」だとか「嫌い」だとか言う行間でさ、おれは今21世紀に生きている、そういう現代のテクノロジーがあり、政治があり、人間関係がありという中で、ぼくが何かこういうふうに感じてんだよ、だからおれは今の時代をこう思ってんだよ、ということを、そういう中からしかやっぱり表現できない。良くも悪くも。現象現象においては、そういう時代に今置かれていることに、何か、耐え切れずに、何かを問いかけたり、訴えかけたりする時もあるけども、結果は、歌う、歌ってしまっているあがた森魚、で、たぶん答えは出しているし、それをやることによってでしか、できないというか。

はい、わかります。

「それこそ、アナログで2チャンでしかレコードが作れなかった時代から出発してんだから。『乙女のロマン』の時が8チャンで、『ああ無情』の時が16チャンで、『日本少年』の時は24チャンで…、と、トラックだけで言ってもね。そういう流れの中で、大枠作ってきて、デジタルになりデジタル配信になり、どんどん進化してゆくんだろうけども、でもやっぱり生身の肉声で歌い続けるということは変わらないだろうし。いろんなエフェクトで曲によりヴォコーダー的にロボトミー的な声を出すことは不可能ではないけども、やっぱりどこかで肉声で歌うことや、アコースティックな楽器で音楽を生音でちゃんとやるという基本的な行為は、行きつ戻りつしつつも無くなることはないだろうし。だから、そういう意味では、テクノロジーがどんなに進んでも、基本は変わらないんだけどね。」

そうですね。


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03月24日(水)
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