ID:73399
羽積風narration
by 汐 楓菜
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■欠如する私
昼寝して、夢を見た。

婦人科にて検査、妊娠発覚。

夢なので、
私の環境には子供を産むにあたって何の障害もない。

看護婦さんも先生も、
とてもにこやかに「おめでとうございます」と言う。

ベッドの上。複雑な気持ちで、ずっとずっと考える。
考えて考えて、私は先生に尋ねる。

「堕胎にはどんな方法があるんですか?」

説明を聴いて、また悩む。
悩んで悩んで、私は先生に言っていた。

「おろしてください」

夢だったけれど。夢だったけれど。
悩んだ悩んだ思考内容は、現実の私のものだったんだろうな。

 恋愛とSEXに、どういう関係があるのかはわからない。

 愛する男の子供が欲しいという感覚は、理解できない。

 一つの人格と、逃げられない立場で真剣に向き合うのは怖い。

 大嫌いな自分の血を引く人間なんて、増やしたくない。

おかしいな。あたしはやっぱり決定的に何かが欠けている。

*** *** ***

T氏の腫瘍が、1mm大きくなっていたと言う。
あと3mm大きくなると、覚悟が必要だとか。

やや自暴自棄になってはいるようだけど、
とてもよく自分を律していらっしゃるように見える。

強いなぁ…と思う。

だけど、きっと、そうではなくて。

壊れ方も甘え方も心の預け方も知らない人は、
いつも強く見えるものだ。
07月27日(日)
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