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えすぱっ子
by ひかる。
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■JY: 高円宮杯 東海予選 豊里中戦
 午前の試合で、名古屋グランパスエイトが岐阜VAMOSに2−1で勝利。その結果、清水エスパルス−豊里中を残して、グランパスが勝点6・得失点差3、清水が勝点4・得失点差3、VAMOSが勝点4・得失点差1、豊里中が勝点0・得失点差−7、となった。予選リーグ2位までが全国大会に出場できるから、清水は1点差での負け、または1点以上奪って2点差以内での負けならば、勝ち抜きが決まる。とはいえ、清水はCBに岩崎でなく深澤 (ゲームキャプテン) を起用した以外は、前2試合と同じスタメンを組んだ。

 序盤から清水は、至極低調。豊里左SH秋月の突破からCKを2つ奪われ、弱々しいものながら程岡に頭でシュートを許している。それでも、秋月以外には1対1で負けない清水は、自ら動かずに相手を待つだけで、ボールを刈り取ってしまう。ボールを奪えば、とりわけ西澤あたりは体で相手のプレスを跳ね返してしまい、自ら仕掛けてボールを失うことはあっても、相手に奪われることは殆どなかった。5分を過ぎると徐々にハーフコートゲームの様相を示しだす。
 だが、ボールを常に支配しながら動き出しが少なく、前田の個人技だけが、それもゴール前から離れた位置で目立つ展開となる。なまじ相手を簡単に抜けてしまうために、スペースを作り、スペースにパスを出し、スペースに別ポジションの選手が飛び出し、相手DFを分散させる…、つまり守備組織を崩す努力を怠っていた。例えドリブルで抜いても、それだけではシュートコースは限定され、また足の踏ん張りも効かないため、威力の低い枠内シュートが相次ぐ。このまま0−0で折り返すと思われたが、25分、鍋田の意表を突いたドライヴシュートで先制。それまでの無理にPA内へ侵入し、マークを引き連れながら撃ったシュートとは、対照的なゴールだった。

 後半の立ち上がりも甚だ低調。前半同様、立ち上がりに秋月の突破を許し、CKを3度与える。しかし、同様に「個」で上回る清水が押し込みだすが、やはり同様に守備組織を崩せない。定石であるサイドからの崩しが、殆どなかった。前半に比べ、前田がゴールに向かってプレーする回数が増えた分だけ効果は上がったが、前半が良いセービング練習になったのか、GK尾崎が素晴らしい反応でゴールを許さない。バックパスをGKがキャッチして得たPA内間接FKのチャンスも活かせず、"NOT HIS DAY" な前田が3度ほど決定機を外し続けると、逆に21分、豊里中が3度選手を入れ替えていた右サイドを起点に同点弾。残り9分、今日の内容では勝点1で御の字だと思われた。
 しかし、失点後一気に前線の動きが活発化、池上投入直後のスローインから勝ち越すと、続けざまに3得点。3点はいずれも自陣からの中長距離のパスに呼応して、前線の選手がスペースに抜け出し、GKの頭上に決めたものであった。怠慢癖というか、ボール回しとドリブルショーで自己満足してしまった50分間と、残り10分の爆発力。良くも悪くも、このムラの大きさがこのチームの愛すべきところなのかもしれない。


▼個人的好印象選手
 望月 恭平 (CB): 心 (=知) 技体で総じて安定。あらゆる攻撃手段の全てを跳ね返し、奪っては正確なパスで起点となった。
 池上 智視 (FW): 今大会、鍋田に先発を譲った男の意地。強い意志で精力的に動き、前線を活性させた。シュートも見事。

11月12日(土)
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