ID:70753
えすぱっ子
by ひかる。
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■選手紹介 1986年度組
 飛び級でユースやサテライトで起用された時には、FWやアウトサイドなども多く経験しているが、所属チームでは常にボランチという責任あるポジションを確保。高2にしてユースの中心選手となったが、主将となった高3の春先、腓骨骨折の重傷を負う。治りにくい部位であり、またエースとして密着マークを受けたこと、更に主将の責任感から無理して出場した試合もあり、完治が遅れて不完全燃焼で終わってしまった。それでも無事に昇格、プロの世界で真の復活を期す。

 捌き・溜め・潰しというボランチの仕事を、忠実にこなす本格派。低い位置から前線を広角度で見る視野を持ち、そこに低くて速いロングフィードを配給する技術がある。ウイングプレーヤーのスピードを最大限に引き出すスペースへのパスは、一級品。また身体能力が高く、守備面ではボールに寄せる速さと、空中戦での競り合いの強さでそれを発揮。一方、攻撃面でも必要ならば体を張ってキープし、ボールの預かり役・溜め役にもなれるが、枝村を際立たせるのは別のプレースタイルにある。
 それは、大胆で精力的な飛び出し。中盤の底で起点になるにとどまらず、アウトサイド選手の更に外を回ってセンタリングを上げたり、3列目から前線に飛び込んでシュートを放ったりする。FWやアウトサイドで経験を積んだことで、正確なインパクトでの強烈なミドル、独特の切り返しからスピードを活かした突破、スペースを上手く利用して上げるクロスなど、飛び出した先に応じたプレーが可能。バラックのようにワイドな展開力と大胆な動き出しを持ち味にする、得点力のあるダイナミックなボランチとして完成させつつある (本人の憧れはメンディエタらしいが) 。守備面でも、高1の時は浩太の補佐役として潰しに駆け回っていたし、最終ラインの穴を埋める動きも実直に行う頭脳もある。
 ただ、高3では怪我もあって運動量が影を潜め、パサーの役割に終始。余裕のないせいか、ゴール前での憎いほどの冷静さが失われ、得点力に陰りも見えた。しかし、最大の課題はプレーよりも、その内面。見切りの早さは長所でもあるが、何が起こるか分からないスポーツの世界では、古くさい「根性」という要素が確かに必要とされている。決して無責任で、怠慢癖のある選手ではないが、泥にまみれて必死になることを疎むのも事実だ。素質だけなら、間違いなく歴代トップクラス。だが、プロの世界で成功するために必要なのは、むしろ精神面なのである。


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▼上埜 健太 1986.04.06 [173cm/64kg] CH・右SH 「ケンタ」
  暁秀中→清水ユース (静岡学園→関西大) 、静岡中3選抜 (01年)

 沼津・暁秀中学で東部の星として名を馳せたテクニシャン。ユースからの加入だが、実にエスパルスらしい足下の技術を誇り、違和感なく溶け込んだ。1年目から主に右MFとして多くの出場機会を得たが、2年目には後輩の谷野・柴田にポジションを譲ることも多く、築館監督からはFWやら右SBやら様々なコンバートを試された。3年時は怪我がちの枝村に代わって司令塔を任されることもあったが、定位置を掴むには至らず。
 そのキックは正確かつ独特の柔らかい軌跡を描き、緩やかなパスが魔法を掛けたように味方の下へ届いていく。冷静な判断と視野の広さが魅力のパサーながら運動能力も高く、意表を突いた強烈なシュートや鋭い突破もある。だが、オフ・ザ・ボールでの動きの質が悪く、特にボールを呼び込む動きに乏しいため、消えやすい。守備でのコンタクトも激しさが欠ける。中学時代の経験からか王様然としたプレースタイルを見せるが、全国レベルで戦うには戦術的素養に不満が残った。


▼風間 翔太 1986.05.02 [175cm/70kg] GK・FW 「カザマ」「カザ」
  清水FC→清水Jrユース (清水二中) →清水ユース (静岡北高)
  U-14NT・静岡中3選抜 (01年)


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04月02日(水)
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